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「劇場」

2017.07.28

小説家、又吉直樹。
ご存知の通り、お笑いコンビ「ピース」の一員です。

彼の事も「ピース」の事もまったく知らずに、ただ若手芸人が芥川賞を取ったという話題だけで2年前に読んだ「火花」は、期待していなかった分も併せて、予想をはるかに越えて感動しました。

そしてこのたび発表された「劇場」。
これはもう、ただただ圧倒されました。
何よりも文章が美しい。

どうしたらこんなきれいな文章が書けるのだろう、どうしたらこんなプロットを思い付くのだろう。
読んでいる途中、その箇所に付箋を貼り付けたくなる思いに、何度も駆られました。
この文章をずっと脳裏に刻み込ませていたい。

その直後に買った、彼が自らの読書遍歴を語った「夜を乗り越える」を読んで、その疑問が解けました。
彼は小さい頃から今日まで、近代日本文学を中心として、数千冊にもなる膨大な数の本を読み込んでいるのですね。

「火花」はハードカバーも買いましたが、手軽に再読したいと思って買った文庫本にのみ掲載されていた、彼自身による「あとがき」が凄かった。
芥川賞を受賞した事に絡ませて、芥川龍之介の文章をいくつも引用し、自らの思いを語りながら芥川への見事なオマージュになっているのです。
そして「夜を乗り越える」を読んで、彼が幼少からどれだけ芥川龍之介を読み込んでいるかが分かりました。

数を読んだからといって良い小説を書けるとは限りませんが、数を読まない限りは良質の文学は生み出せない。
私はその事を中上健次や村上龍から学びました。
ふたりに感化されて、大学の図書館にあったセリーヌやジュネを読み耽った思い出もあります。

又吉直樹の「劇場」は、彼の読書遍歴が自身の才能として見事に昇華された傑作だと思います。
心に染み込む数々の名文や登場人物の思いを噛み締めるために再読します。

夏は日本酒でカンパイ!

2017.07.15

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昨夜は上田市商工会議所主催の日本酒振興イベント。

上田市商店街のど真ん中にあるフリースペース「真田十勇士ガーデンプレイス」では、上田市内から5蔵、そして鮎・ポークをはじめ上田市を代表するたくさんの地産の飲食ブースが立ち並びました。

夕暮れから夜にかけてステージではジャズの生演奏が流れる中、大勢のお客様が訪れ、5蔵のお酒はあっという間に完売。
真夏に飲む日本酒の楽しさを味わって頂きました。

そして明日7月16日(日)は東京の四谷エリアで恒例の「大長野酒まつり in 四谷」。

12:30から17:30まで、四谷エリア28の飲食店で、長野県50蔵のはしご酒をお楽しみください。
ちなみに弊社は四谷3丁目「くりや」さんで皆様のお越しをお待ちしています。

詳しくはこちら。

http://naganosake428.info/

THE ALFEE 校歌を歌う。

2017.07.07

しばらく前に「YouTube」で、THE ALFEEが3人の、そして私と妻の母校でもある「明治学院大学」校歌を、ライブツアーのアンコールで演奏している映像を見つけました。

「マジか?」「でもこの曲演奏して分かる人、どれだけいるの?」という思いとともに、「でも嬉しい」という感極まる気持ちがジワジワと湧いてきたのも事実です。

その「明治学院」校歌。
作詞は卒業生でもある島崎藤村です。
そして、ものすごく長いです。
でも私と妻はなぜか全部歌えます。

それにしてもライブツアーのアンコールで母校の校歌って、やっぱり凄いな、アルフィー。

大学4年の時、アルフィーは明治学院の学園祭に呼ばれて、でも事務所に反対されて、それでも母校だからと事務所の反対を押し切ってライブをやってくれたのには大感激でした。
あの時は朝から大行列が出来てたな。

その後も新校舎が完成した暁には、地下の大ホールでライブを挙行してくれたという話も聞きました。

そして数年前、アルフィーの3人は、プロデビューしたために卒業できなかった明治学院大学の「名誉学士」の称号を授与されました。
ファンを招いて、ちゃんと授与式に出席したアルフィーは偉い。
その様子は定期的に届く大学の広報誌にも載っていました。

実は私はアルフィーはまったく聴きません。
「星空のディスタンス」のサビを歌える程度です。
高校生の頃、午前3時からの「坂崎幸之助のオールナイトニツポン」だけは聞いてました。

でも母校の先輩であり(卒業しなかったけど)、折に触れ思い出が重なるアルフィーが、会場のほぼすべてのファンが知らない母校の校歌をライブで歌っているその光景をパソコンで見ると、何がしかの心あたたまる親近感が湧いてくるのです。

棋界の朗報

2017.06.28

プロ棋士の藤井聡太四段が、14歳でプロデビューして以来、公式戦29連勝の新記録達成という偉業を成し遂げました。
本当に価値ある記録です。

プロデビューが賞金額1位を誇る竜王戦の大舞台で、しかも対戦相手が最年長棋士で今や大ブレーク中の加藤一二三九段だったという「運」も、彼の才能の一部なのではと感じてしまいます。

ちなみに私が敬愛するプロ棋士は?と問われたら、加藤一二三九段、谷川浩司九段を真っ先に挙げます。
対照的なおふたりですけど。

ところで、これだけ将棋界がいい意味で世間を騒がせたのは、今から12年前、瀬川晶司アマが特例としてプロ編入試験を受けた時以来かと思います。

あの時は、一度は奨励会員としてプロ棋士の道を断念した瀬川五段(現在)がアマチュアとしてプロ棋士に勝ちまくり、プロ編入の嘆願書が受理されて、編入試験が実施されたというものでした。

プロと6局対戦して3局勝てば合格、というこの試験のプロ側の対戦相手は、実に変化に富む顔ぶれでした。

1局目(肩書きは当時)。
プロ棋士の卵、奨励会三段で、現在は将棋界の頂点に君臨する佐藤天彦名人(瀬川●)。
奨励会員としてアマには負けられないという佐藤の意地が盤面にほとばしり出た1局でした。

2曲目。
将棋界きってのバラエティ芸人、神吉宏充六段(瀬川〇)。
サービス精神旺盛な神吉は対局中にいきなり大盤解説場に顔を出し、観客に現局面を説明するという大技をやってのけました。

3局目。
久保利明八段(瀬川●)。
しばらく前のテレビ対局で、八段がアマチュアに敗れるという大盤狂わせとなったふたりの対局が再度組まれ、これまた大きな話題となりました。
久保の意地が瀬川の技術を上回った1局でした。
ちなみに久保は現在「王将」のタイトル保持者です。

4局目。
中井広恵女流六段(瀬川〇)。
八段とのあと、まさか女流との対局を持ってこようとは・・・。
女流棋士のトップを相手に、瀬川の見事な差し回しが光った対局だったと記憶しています。

5局目。
高野秀行五段。
中原誠永世名人の代理として出場した弟子の高野五段を破り、この瞬間、瀬川はプロ棋士の仲間入りを果たしました。
高野投了の瞬間は、藤井聡太四段29連勝の時と同じくらいのフラッシュが焚かれ、各メディアが殺到した光景を今でも覚えています。

という訳で話は戻って藤井四段。
次の対局は竜王戦決勝トーナメントの2戦目。
この1局の対局料はさすがの竜王戦で、勝てば52万円。
このままどんどん勝ち進み、仮に渡辺明竜王を破ってタイトルを取った時の賞金は4,320万円。
まだまだ難敵ぞろいですが、地位と名誉とを賭けた戦いに期待は膨らみます。

会津へ

2017.06.16

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研修で福島は会津へ行って参りました。

写真上から
「飛露喜」の廣木酒造本店。
「寫楽」の宮泉酒造。
「天明」の曙酒造。

どの蔵元もご自身の造りや設備を惜しげもなく公開して下さる、その姿勢に感激しながら、大いに学ばせて頂きました。

また、蔵元がさり気なく語られる言葉の中に、その方の人生観や生きざまがさり気なく含まれていて、これがまた大きな刺激になるのです。

帰りに寄った喜多方では、過去2回足を運んだ満古登(まこと)食堂で「大盛り中華そば」。
変わらぬ美味さに、こちらも感激!でした。

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