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マッカラン ビフォーアフター

2017.01.22

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私が一番好きなスコッチウイスキーを挙げるとすれば、シングルモルトの名品「マッカラン」です。

上田のクラシックバー「Dejavu」で、この「マッカラン」を頼んだ時のこと。
目の前に「マッカラン18年」のラベル違いの2本のボトルが並びました。

オーナーの藤極さんは2本のうち見慣れた左側のボトルをストレートで注ぎながら、「マッカランは1986年を境にラベルも味も変わってしまったんです」と説明を始めました。

マッカランはシェリー樽の不足により、一番樽の使用比率を1986年以降変えざるを得ず、それを機にラベルだけでなく味わいも変わったとの事でした。

私に出されたのは1986年以前にビン詰めされたオールド・マッカランでした。
華やかで優雅で深い味わいで、うーん、これぞマッカラン。

ふと思い立ち、もう1本のニュー・マッカランも出してもらうことに。
比較してみると・・・驚きました。
私がずっと飲んできたマッカランとは香りも味わいも全然違います。

それでもしばらくグラスを回しながら液体を空気に触れさせていると、あのマッカランの香りがしっかりと感じられてきたのには感動しましたが。

個人的には1986年以前のオールド・マッカランが好みですが、どちらもあの偉大なマッカランである事に変わりはありません。
どんなお酒にも物語があり、それを知ると1杯の味わいがより深くなります。

茜屋珈琲店

2017.01.16

夜なにげなくテレビをつけたら、松たか子が感動したお店というのをやっているところでした。

ナレーションが「この喫茶店はお客様を見てコーヒーカップを選んでくれる」と言っているのを聞いて「もしや」と思ったら、案の定「茜屋珈琲店」。
その銀座店でした。

同じ「茜屋珈琲店」で、旧軽井沢の一番奥にある「旧道店」は私の大のお気に入りです。

奥行きのある広い店内には、やはりブランド物のコーヒーカップが所狭しと並び、その時の雰囲気でいつも違うカップが出てきます。

カウンターの片隅でオーナーご夫妻と会話をしながらコーヒーを味わうひとときは至福です。
ここに行くためだけに軽井沢を訪れることもあります。

ただ、松たか子おすすめの「銀座店」には一度しか行ったことがありません。
場所は歌舞伎座のすぐそばです。

コーヒー一杯995円で「さすが銀座価格」と目を丸くしたのと、レジの横には金魚鉢のようなガラスの容器に、お釣り用のピカピカの5円玉が溢れんばかりに入っていたのを覚えています。
そうそう、あとから入ってきた常連のマダムが何の躊躇もなく立て続けにお替わりを頼んでいたのにも驚きました。
うーん、1980円か、と(笑)。

テレビの画面には、その時しばし会話を交わしたマスターも出てきて、そうそうこの人と、思わずひとりごちた土曜の深夜でした。

成人式

2017.01.10

息子が成人式を迎えました。

上の長女ともども家族揃ってお酒を飲みに行けるようになったことを嬉しく思います。

ちなみに私は20歳の時、成人式に出席しませんでした。
なぜならその時、私は浪人中の身・・・。
寒風吹きすさぶ新宿の街を歩きながら、振袖姿の同い年の女性が眩しく見えたあの日の光景が今も鮮明に思い出されます。

寂しさを紛らわそうと新宿三丁目の映画館で観たのが、よりによって「ザ・デイ・アフター」。
当時話題になった、米ソ対立による核兵器の使用を描いたシリアスなドラマです。
映画館を出た時は一層落ち込む自分がいました。

その反動からか大学に受かってからは飲みまくりましたが、自省も込めて成人を迎えた皆さんにひとこと言いたいのは「若いうちからたまにはいいお酒を飲め」ということ。

うまい酒を飲めば一流の何たるかが分かります。
お酒はただ酔うためだけでなく味わうためにあることも理解できます。
まあお酒に限らずどの世界も一緒なんですけどね。

謹賀新年

2017.01.04

新年あけましておめでとうございます。
今年もご愛飲下さる皆様の存在を励みに精一杯頑張ります。

それらにしても「真田丸」ブーム、まだまだ続いてますね。
正月3が日の上田城跡公園周辺は凄かったです。

会社が近くにある私は上田城の前を何度か通るたび、道路は大渋滞、駐車場は満車、上田駅からの沿道は観光客でぎっしり、通りから見える公園内の「大河ドラマ館」は長蛇の列と、その熱気に驚きました。

そんな中、私は2日から始動。
普段はなかなかお伺いできない遠方の皆様にご挨拶回りをして参りました。

この日最後に立ち寄ったのが、本ブログにもたびたび登場の、長野駅前の「Restaurant Bar Libiamo(レストランバー・リビアーモ)」。

ただしこの日は車なのでお酒は断念して、オープン前に飛び込んで、オーナーにご挨拶だけ。

今日は5時間掛けてブイヨンを煮込んでいる最中です、とのこと。
手間隙を惜しまない姿勢は相変わらずです。

そして帰り際に「私も大のお気に入りです」とお土産で頂いたのが「スモッち」なる燻製卵。
食べてみたらこれが確かにすごくおいしい!

山形県の半澤鶏卵という会社が作っているのですが、食塩だけで味付けされた卵は、スモークと半熟の卵黄と塩加減とのバランスが抜群で、頂いた分をあっという間に家族でぺろりと完食。
ネットで調べたら大ヒットしている商品なんですね。
今度見つけたら即買いです。

将棋界の衝撃

2016.12.27

プロ将棋ファンの私にとって今年のトップニュースは、何といっても「将棋ソフト不正疑惑」でした。

佐藤天彦の初名人奪取も、羽生喜治のタイトル戦連覇も、この事件の前ではいとも簡単に吹っ飛ぶほどの衝撃でした。

今やプロ棋士の頭脳を凌駕していると言ってもよい「将棋ソフト」。
その「将棋ソフト」をトップ棋士である三浦宏行九段が、対局中にたびたび離席しては、不正に使用(盗み見)していたとされるものです。
この疑惑で三浦九段は年内の出場停止処分も受けています。

この件に関して最も精度が高かったメディアは「週間文春」でした。
告発に関わった棋士名や発言内容、そして経緯に至るまで、よくぞここまで深く調べ尽くしたものだと感心しました。

これをきっかけにプロの対局では、対局中の外出禁止、タイトル戦での身体検査等、厳しいチェックが設けられるようになりました。

そしてこのたび、第三者委員会による調査結果が発表され、「三浦九段による不正行為の証拠はない」との結論が出されました。
はっきり言ってしまえば「疑わしきは罰せず」といった判定なのでしょう。
無難な着地点に収まったという違和感はどうしても残ります。

年が明けて三浦九段が対局室に戻ってきた時は、大きなニュースとして取り上げられることでしょう。
あとは三浦九段がこの重圧を跳ね返して、どれだけ素晴らしい棋譜を残せるか、汚名返上の手段はこれに尽きると思います。

羽生喜治が史上初の7大タイトル制覇を成し遂げた時、その牙城を真っ先に崩したのは、「棋聖」位を奪い取った三浦弘行その人でした。

あの時の輝きを取り戻して、ぜひ将棋界にもうひと旋風を吹かしてもらいたいものです。

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