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「ゴッドファーザー」雑感

2025.04.04

「ゴッドファーザー」「ゴッドファーザーPART2」の映画と「ゴッドファーザー」の原作を、今まで何度観返して、そして何度読み返したことでしょう。

先日もちょっと空いた時間に「ゴッドファーザーPART2」を見始めたら、もうだめ。
作品のあまりの素晴らしさ、完璧さに、独り言で「おもしろい!パーフェクト!」と連呼しながら、あっという間にエンドロールを迎えました。

とは言ってもこのシリーズ。
上映時間がハンバない。

「ゴッドファーザー」が2時間55分。
「ゴッドファーザーPART2」が途中休憩を挟んで3時間20分。

ちょっと観る、と言うにはあまりにも長すぎるのですが、結局息をつく暇もなく観切ってしまう、その作品力の凄さといったら。

ちなみに初めて観たのは大学生の時でした。
東京の早稲田松竹で、何とこの2本立てが上映されていて駆け付けたのでした。。
延べ6時間にわたる興奮と緊張とで、最後は心地よく疲れ切っていたのをよく覚えています。

が、しかし・・・。
実は私は「ゴッドファーザーPART3」は未見なのです。

DVDも2本(笑)持っています。

ではなぜ観ないのか。

1作目と2作目があまりに偉大過ぎたために、3作目を観て、もし少しでもがっかりしたらどうしよう、そんな恐怖心が私を「PART3」を観る勇気から遠ざけているのです。

公開当時の評判はあまりいいものではなかったし。
「PART1」と「PAET2」では常連だったアカデミー賞の各賞受賞も「PART3」では軒並みノミネートで終わっているし。
でも数多くの部門でノミネートだけでもされたという事は、やはり名作の証ということか?

先日「PART2」を観て、さすがの私も「PART3」を観たいフラストレーションがMAXに近づいてきました。

3作目が公開されて25年。
上映時間が2時間50分と、前2作同様やはり長尺なこの大作に、いよいよ対峙してみようと思います。

新宿グランドオデヲン

2025.01.14

かつて新宿歌舞伎町の、今は無き噴水広場の周りは、映画館で埋め尽くされていました。
そしてその一角に新宿グランドオデヲンという映画館がありました。

ひとつの建物の中に「新宿オデヲン座」「新宿グランドオデヲン」「新宿アカデミー」「新宿オスカー劇場」の4つの映画館が入っており、中でも前者3つの映画館は連日オールナイト上映をしていて、終電を逃した時は重宝したものでした。

その「新宿オデヲン座」のWikipediaに、突如私の名前が登場して驚いたのは、本当に偶然でした。

学生時代に通い詰めた懐かしの映画館を何気なく検索していたところ、次の一文を見つけ、「何で私が?」と思わずのけぞってしまいました。

「新宿オデヲン座」のWikipediaから抜粋します。


「(前略)。長野県上田市に本社を置く酒造メーカー「和田龍酒造」の社長を務める和田澄夫は、大学在学中の1984年(昭和59年)7月14日に公開した『愛情物語』(監督角川春樹)と『メイン・テーマ』(監督森田芳光)の2本立てをグランドオデヲン座で観たという。(後略)」

その通りなんです。

学生時代、終電が無くなって潜り込んだ新宿グランドオデヲンで、原田知世主演の「愛情物語」と薬師丸ひろ子主演の「メインテーマ」の角川映画2本立てを観たのでした。

主役ふたりが歌うそれぞれのテーマソングを耳にするたびに、学生時代の若かりし頃の熱さや感情、そして徹夜して映画館を出た時の早朝の歌舞伎町の匂いを思い出すのです。

それにしても誰がWikipediaにこんな一文を加えたのでしょう?

出典は間違いなく、はるか前に書いたこのブログなのですが、果てして誰が…?

1回お休み

2024.11.15

ブログの更新が遅れていてすみません。

慌ただしい毎日でなかなか時間が取れず、今回は更新を1回パスさせて下さい。

近々しっかり更新します。

その分、皆様に美味しい新酒をお届けできるよう、頑張ります。

「箱男」

2024.11.02

監督の名前で必ず観る映画は多くありますが、石井岳龍(石井聰亙)もそのひとりです。

きっかけは、学生時代に新宿で観た「爆裂都市 BURST CITY」でした。

「これは暴動の映画ではない。映画の暴動だ」のキャッチコピーに惹かれて映画館に入った私は、瞬く間にこの映画の虜になりました。

それから何度映画館に通ったか、何度DVDで観たか、今はもう数え切れません。

そのあと確か池袋で観た、石井監督「爆裂都市」の前作「狂い咲きサンダーロード」。

北野武をはじめとしてその熱狂的ファンの存在で(かくいう私もそのひとりです)、日本映画の傑作として燦然とその名を残しています。

石井聰亙はその後、石井岳龍に改名します。

そしてメジャー公開された「パンク侍 切られて候」は、時代設定こそ違えど「爆裂都市」や「狂い咲きサンダーロード」を彷彿させる石井ワールドが炸裂し、興奮が冷めやりませんでした。

そしてこのたび公開された「箱男」です。

安部公房が書いた原作すらも、あまりに難解で読み解けなかった私にとって、結局のところ映画も極めて難解で、1度観た限りでは理解する事が出来ませんでした。

ただ、小説「箱男」が持つ、構成の「ねじれ」の魔力、超現実主義として描かれる物語の破壊力が、映画でも共通している事は十分に感じ取る事が出来ました。

観終わって「理解できなかった事」が、逆説的に「理解できた事」に繋がるのだと、自分勝手な解釈で誤魔化しています。

27年前、ドイツでのクランクイン前日に、資金調達が出来ずに撮影中止になった同作を、その悔しさを糧にして、同じ永瀬正敏主演でついに蘇らせた石井岳龍。

大好きな石井岳龍のその執念に応えるためにも、また映画館で、そしてBlu-rayで、この難解な「箱男」に対峙し直したいと思います。

秩父の龍勢祭

2024.10.24

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1枚目・2枚目 空に向かって見事に打ち上げられた手作りロケット「龍勢」

3枚目 「龍勢」の保管場所(一般立入禁止)にて。緊張した面持ちの和田若連の面々。

4枚目 観客席の目の前を通って「龍勢」を発射台まで運んでいる和田若連。ちなみに旗を持っているのは私です。


今年も秩父市吉田の「龍勢祭」に、和田若連の一員として参加して参りました。

四方を山に囲まれた秩父市吉田(旧吉田町)。

その吉田町の中心、椋(むく)神社に奉納する形で、二十七の流派が、山の中腹の発射台から、手作りロケット(龍勢)を打ち上げます。

見事、ロケットが空に向かって打ち上がり、中に仕掛けられた落下傘が開いて優雅に舞い降りてくれば大成功です。
流派を越えて、満場の観客から拍手喝采となります。

ちなみにこの手作りロケット。

2つに割った松に、それぞれの流派ごとの流儀で、火薬詰め(墨入れ)が行われます。

この火薬詰めは危険が伴うため、秩父市が指定した火薬詰め場で、許可を受けた者しか立ち入る事ができません。

また当日も、打ち上げ台周辺は、流派の人以外は立入禁止で、周囲には消防車が何台も待機しています。

現代の消防法では到底許されないであろうこの「龍勢祭」が、今も実施され続けているのは、ひとえに400年という歴史の重みからくるものでしょう。

私も、流派のひとつ「和田若連」の皆さんと知り合ってから約20年、連の一員に加えて頂き、毎年10月第二日曜日の実施日当日は、早朝から心躍らせて、吉田の町に向かうのです。

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