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これはこれで楽しかったランチ

2018.06.02

相性の悪い店というのはあります。

東京渋谷のCホテル内にある中華レストラン「C」。
中国料理界では有名な大御所の弟子がトップシェフを務め、料理は旨いが値段もそれ相応(つまり高い)。
でもそれを承知で、このお店の料理を一度味わいたくて初めて入ったのはしばらく前の事でした。

その時は料理以前に、我々の席を担当した黒服の態度の横柄さに閉口し、支払いの際には、ポイントが付くと思って出したそのホテルのカードを「当店ではポイントは付きませんから」と、一瞥しただけで返すでもなく、トレイの上にカードを放っておかれたあの不快さは今でも忘れません。
あのまま私がカードを取らなかったらどうなっていたでしょうか。

しかし先月、そのホテルの喫茶で大切な方と打ち合わせをする前に、ランチを取るためにその中華レストランに入ったのは、ホテル内の他のお店はすべて満席だった、それだけの理由でした。

メニューを渡しに来た黒服に、あと1時間しかない事を告げ、その上で彼が選んだコースメニューを選択したにも関わらず、料理は遅々として運ばれてきません。
残り15分を切ったところでまだメインもデザートも出てこない事に痺れを切らし、「もうここまででいいから」と伝えると「あ、1時30分まででございましたね。急がせます」と優雅に振る舞う彼は気を利かせたつもりだったのでしょうが、この時点で君は全然気を利かせてないからね。

そしてほぼ同時に出てきたメインとデザート。
メインの炒飯を瞬時でかっ込み、デザートのプリンはひとくち手を付けただけで即会計。
「すみません」のひとこともなく、そのかわりに「当店は少し前からホテルポイントが付くようになりました。もしカードがございましたら」と言われた滑稽さに、カードを出しながらむしろ笑ってさえしまった、ある意味貴重なランチでした。

料理そのものは秀逸なのに、「人」で美味しさって変わるんですね。

Cliche(クリシェ)

2018.05.27

大好きな日本酒居酒屋、長野市「べじた坊」のHP「べじログ」を読んでいたら大貫妙子の事が書いてあって、すぐに発信者の石垣さんとSNSでやり取りしてたら堪らなくなって、大好きなアルバム「Cliche(クリシェ)」をその場で発注してしまいました。

で、今カーオーディオで繰り返し聴いているわけです。

このアルバムが発売されたのは1982年。
高校を卒業して東京で浪人していた頃の1枚です。

まだCDなんてものはなくて、レコードプレーヤーも買えなかったので、もっぱらカセットテープ版を買って聴いてました。
貧乏浪人生に、確か2,500円は痛かった。

車の中で、大貫妙子の透明感あふれる澄んだ声と、心打つメロディアスな曲の数々を聴いていたら、浪人の時の不安な心境と当時の東京の街の空気が蘇ってきて、思わず涙がこぼれそうになりました。
そういう事ってありますよね。

このアルバム、坂本龍一が関わっていたから買ったんだよなあ。
本当に名盤。
どの曲も、いろんなアーティストにカバーされたりもして。

「黒のクレール」や一転して明るい「ピーターラビットと私」もいいけれど、このアルバムの私のベストは「夏の闇」。

これ、しばらく前に深夜のテレビで、坂本龍一のピアノで大貫妙子が歌っていて、本当に泣きました。

余談ですが、学生の時に妻とNHKホールに大貫妙子のライブに行ったら、3階後方の見えづらい席で、コンサートが始まったら、静かな曲目の数々と見えづらさとが相まって、数列前のおっさんが気持ち良さげにいびきかいて寝てたのが面白かったです。
とても迷惑でしたけどね。

サラのコトノハ本舗 15周年

2018.05.19

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上:参加者全員での集合写真
下:蔵元の集合写真(中央で横たわっているのがサラさん)


「サラのコトノハ本舗」15周年記念パーティに行って参りました。

「サラのコトノハ本舗」。
日本酒をこよなく愛するイラストレーターのサラさんが営むショップで、多くのファンに囲まれながら今年15周年を迎えたのです。

http://sarahpanda.ocnk.net/

サラさんのイラストは、愛くるしいパンダや動物たちがモチーフととなり、時にはそこに素敵なひとことが添えられて、とりわけ日本酒愛好家や多くの地酒専門店・蔵元から絶対なる支持を得ています。

かくいう私も、数年前にとある酒場でサラさんと初遭遇してからは、彼のお人柄と作品にぞっこん。
そうしたら、しばらくしてサラパンダが「和田龍登水」を抱えているイラストを送ってきて下さったのです。
このイラストは当社の店頭で、今日もご来店頂くお客様をお迎えしています。

さて、パーティ当日。

会場の「Alice Tokyo 日本橋」に集まったのは、あっという間に定員に達したサラ・ファンの皆様と、サラさんから直接お声掛け頂いた25社の蔵元の、約100名。

そこに、サラパンダTシャツとサラパンダ前掛けを身に付けたサラさんご本人が登場し、まずはご挨拶。
そのあとは早速カンパイとなり、酒宴が始まりました。

会場が用意したビールやワインもあるのだけれど、お客様が飲むのはもっぱら25蔵から事前に持ち込まれた日本酒がメイン。
テーブル間でお酒が交換されて、どんどん次の日本酒が回ってきます。

途中、各蔵の自己紹介もあったりして、宴会はどんどんヒートアップ。
私も会話に夢中になるあまり、お酒だけをぐいぐい呷り、食事は何も口にできないまま(笑)。
そうこうしているうちにあっという間の2時間が過ぎていきました。

お開きのあとは全員で記念撮影。
名残り惜しむように皆が会場をあとにしたのでした。

サラさん、15周年本当におめでとうございます。
そして今日は呼んで下さって大変光栄でした。
これからも益々のご活躍をご期待申し上げております。

イベント2日間

2018.05.11

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下の写真は原商店 原有紀さんご提供


今週、東京で2日続けてイベントに参加してきました。

5月8日(水)。
大塚の地酒屋こだまさん主催による「長野10蔵の会」を水道橋「海山和酒なるたか」さんにて。
当社は3年前から参加させて頂いています。

こだまさんのHPより当イベントの案内文を抜粋します。

「いわゆる有名な蔵はひとつもありませんが(笑)10蔵すべてが僕にとって誇りであり、扱わせていただくことを光栄に思っています。今回はそんな10蔵から蔵元や杜氏を一堂に迎えての会を開催します。」

おかげさまで今年も早々に満員御礼との事で、ありがたい思いでいっぱいです。

この会の特徴は、10蔵が3本の酒を抱えて、15分ずつ各テーブルを回って歓談すること。
そこに「なるたか」さん厳選の魅惑の料理が彩りを添えます。

どのテーブルでも様々な話題で盛り上がって、15分なんてあっという間。
後ろ髪を引かれる思いで次のテーブルへ移る、その連続です。
すべてのお客様をお見送りした時、時計の針は11時を指しておりました。

翌日5月9日(水)はグランドプリンスホテル高輪にて、毎年恒例の「長野の酒メッセ in 東京」。

今年から、業界関係者様の第1部と、一般来場者様の第2部との2部制です。

開会の13:00から閉会の20:00まで7時間の長丁場。

今年もブースにはお客様が途切れることなくお越しになり、妻とふたりでお酒を注ぎながら喋りっぱなし。
お酒も1滴残らずきれいに無くなりました。
計算すると、ざっと1,000杯以上お酌をした事になります。

わざわざ当社のブースに足を運んで下さった皆様、本当にありがとうございました。
昼食抜きである事、声が枯れて出ない事も忘れて、楽しく過ごせた素敵な時間でした。

2日間続けて、お目に掛かれた皆様に心から感謝です。

「ラ・フォル・ジュルネ」

2018.05.05

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3枚目の写真はベートーベンのあと聴いた、ジャズ・ライブ会場


前回から続きます。

で、行ってしまいました。
「ラ・フォル・ジュルネ東京」。

5月3日。
お昼過ぎに、東京で大切な方と会う約束が出来たので妻と出掛け、せっかくの機会だからとインターネットでチケットを購入したのでした。

「ラ・フォル・ジュルネ」のHPを眺めながら、数え切れないほどのプログラムの中から選んだのは、その日の夜7時から5000人収容の東京国際フォーラムAで行なわれた「ベートーベン ピアノ協奏曲第5番『皇帝』」でした。

プログラム

ロイヤル・ノーザン・シンフォニア
ラルク・フォールト(p・指揮)

シベリウス:アンダンテ・フェスティーボ
ベートーベン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73「皇帝」

初めて聴くラルク・フォールトは、ピアノを弾きながら指揮をするんですね。

「皇帝」はいきなり力強いピアノ・ソロから始まるのですが、ピアノのパートが終わると立ち上がって指揮を、そしてピアノが始まる直前にはやおら座ってまた弾き始める、その連続です。

どちらかといえば小編成の、しかしシャープかつダイナミックなオーケストラと、柔らかく流れるようなタッチで演奏するピアニスト(謙指揮者)の競演とで、あっという間の45分が過ぎ、しばしカーテンコールが鳴り止む事はありませんでした。

興奮冷めやらぬままホールを出ると、目の前に広がる360度ガラス張りのワンフロア低い会場で、ピアノ・ベース・ドラムの3ピースのジャズの演奏が始まるところでした。

聞けば、今回のチケットを持っている人は誰でも入れるとの事。
我々ふたりはすぐさま階下へ降りて行って、ベートーベンに引き続いて、今度はジャズの響きを楽しませてもらいました。

ゴールデンウィークの3日間、丸の内と池袋をクラシックの渦で包み込む「ラ・フォル・ジュルネ」。
間違いなく、音楽の「熱」をひしひしと肌で感じ取ったひとときでした。

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