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齋藤さんが遺したもの

2021.04.19

facebookで突然「お友達申請」が届いたその方は、前回書いた「小さな酒蔵応援団 革命君」代表の齋藤哲雄さんがこよなく愛した、江戸川区にある「鮨K」のご店主でした。

「鮨K」は、生前の齋藤さんから「本当に素晴らしいお店だからいつか一緒にいきましょう」と幾度となくお誘いを受けていた1軒でした。

「承認」と共にお礼のメッセージを送った私に対し、先方からもすぐにレスを頂き、しばし齋藤さんの思い出話に花が咲きました。
今となっては齋藤さんとこのお店にご一緒できなかった事が悔やまれてなりません。

数日前には、日本酒愛好家として有名な東京在住のイラストレーターSさんからも、突然の電話がありました。
カウンターに乗った「和田龍登水」の写真付きです。

今どこで飲んでいるのかお伺いすると、大田区にある和酒バーTとのこと。
実はこのお店も齋藤さんが大変懇意にされたお店です。
Sさんのあと電話を代わったオーナーと、まだ私が未訪問である事が嘘のように、齋藤さんを思い返しながらふたりで長い会話が続きました。

いつもお世話になっている東京の地酒専門酒販店Kさんから届いた発注書の片隅には「和田くん、気を落とさないでね」とひとこと書いてありました。
齋藤さんと私の繋がりを知っているKさんからの温かなお言葉をしばし見つめながら、涙がこぼれそうになりました。

旧知の富山県の蕎麦屋店主からは、いきなり「ショックです」というメッセージが届きました。
「同じくです」と返した私にまたすぐにレスがあり、文章を交わしながら齋藤さんの悲しみと思い出話に暮れました。

齋藤さんが遺して下さった数え切れない程のたくさんのご縁は、これからも大切な財産として、ずっと守り続けていく所存です。

地酒界の至宝、逝く。

2021.04.10

地酒業界には無くてはならない存在がこの世を去りました。
齋藤哲雄。
地酒専門店「小さな酒蔵応援団 革命君」代表。
40代前半の若さでした。

彼は多くの酒蔵を育て、そして数多(あまた)の地酒関係者に愛され続けてきました。
私もそのひとりです。

齋藤さんと私との出会いは平成22年5月。
初めて参加した「長野の酒メッセ in 東京」でした。

齋藤さんは当時、都内の某有名地酒専門店の番頭でした。
その日当社のブースを何度も訪れては利き酒を繰り返し、終了間際に初めて身分を明かし、取り引きの意思を示してくれたのでした。
それは「和田龍登水」が東京へ進出する大きなきっかけにもなった一瞬でした。

その後、時には上田に来てまで酒質向上のアドバイスを交わしながら、齋藤さんと私との絆は深まっていきました。

しかしある時、齋藤さんを大病が襲います。

戦線離脱で長期療養を余儀なくされた齋藤さんに、多くの地酒業界関係者が復帰のエールを送り続けました。
齋藤さんのために「俺は待ってるぜ!」という黄色いハンカチーフが作られ、私は今も店頭に飾ってあります。

そして齋藤さんは奇跡の復活を遂げました。
退院直後、船橋駅前のガストで久々に顔を合わせた時の感激は忘れません。

退院したとはいえまだまだ満身創痍の齋藤さんは、しかし愛する地酒を世に放つために自身で酒類販売免許を取得し、千葉県船橋市に酒販店「小さな酒蔵応援団 革命君」をオープンします。

たった数坪の小さな店内。
販売対象は飲食店のみ。
配達はせず配送はすべて宅配便。
体調に合わせて営業時間は午後のみ。

このように環境的には万全とはいえない「革命君」と齋藤さんを、多くの蔵元や飲食店がバックアップしていきます。

私も折に触れ、数え切れないほど齋藤さんと電話で話をしました。
そのつど多くのアドバイスをもらい、𠮟咤激励され、それはそれは大きな励みになりました。

齋藤さんが発掘して育てたお酒はその蔵元のプライドとなり、そして飲食店も齋藤さんへの信用でその銘柄を取り扱いました。

数年後、齋藤さんは自身の夢だった大きな店舗への移転を、JR小岩駅から徒歩5分という至便な立地に果たしました。
移転直後のとある日の夕方、アポなしで訪ねた私に驚きながらも、大いに歓迎してくれた齋藤さんの満面の笑顔を今も忘れません。

齋藤さんはFacebookで、「齋藤哲雄」名義では近況を、「革命君」名義では取り扱い商品情報を、連日のように発信し続けました。
それは、時には体調に不安を覚えながらも、愛する地酒を普及させるために体を張って邁進していく、さながら戦士そのものの姿を彷彿させました。

しかしそのFacebookの投稿も、緊急入院を告げた直後の今年2月7日を最後にバッタリと途絶えてしまいました。

そして2か月が経った先日。
お母様から齋藤さんの訃報を知らせる葉書が届きました。
何と入院直後の2月に亡くなったとのこと。

その時のショックと衝撃はいかばかりだったか、計り知れません。

齋藤さんの訃報はすぐにSNSで拡散されました。
齋藤哲雄という男はここまで愛されていたのかと、改めて痛感させられた思いでした。
そして今も、齋藤さんと時を共にした、私を含む多くの者が深い悲しみに包まれています。

齋藤さんが自身の体調悪化と入院を知らせる2月1日の投稿の、最後の一文を抜粋します。

「必ず直します。必ず酒屋復帰します。最後まで諦めず治療に挑みます。」

齋藤さんの思いは今も我々の心の中に生き続けています。

齋藤さん、ありがとうございました。
あなたと出会えてよかったです。

このホームページの「革命君」の名前は消さずに残します。

新着情報3

2021.04.03

「和田龍登水(とすい)」新酒の発売情報です。

既に発売を開始している「美山錦」「山田錦」に続きまして

・4月5日(月)「和田龍登水 山恵錦」発売開始

「山恵錦」は昨年農水省から認可されたばかりの、新しい長野県の酒米です。
弊社は認可される前の3年前からこのお米を使用していますが(全量上田市産契約栽培米)、今年は過去最高の出来となりました。
リンゴのような甘い香り。
トロリと舌を覆うエレガンスな旨味。
芳醇な味わいをお楽しみください。
全量「無濾過生原酒」です。

・4月12日(月)「和田龍登水 ひとごこち」発売開始

弊社の「ひとごこち」は昨年から隣の東御(とうみ)市八重原産の契約栽培米を使用していますが、そのお米の力強さが見事に生きた素晴らしいお酒が出来上がりました。
ライムのような爽やかな香り。
上品な甘さと、そこにきれいに溶け込んだ酸とのバランスとの心地よい味わい。
こちらも全量「無濾過生原酒」です。

当HP内の「和田龍登水ブランド」お取扱い店様でお求め頂くか、もしくは弊社まで遠慮なくお問い合わせください。

・和田龍登水(全種類共通・税込)

1.8L 3,300円
720ml 1,760円

新酒情報2

2021.03.27

「和田龍登水(とすい)」の新酒ですが、「美山錦」に続いて「山田錦」が来週発売開始となります。

鼻孔をくすぐる柑橘香。
クリアで透明感あふれる味わい。

無濾過生原酒ならではの、搾りたてのフレッシュな味わいをご堪能ください。

・和田龍登水(全種類共通・税込)

1.8L 3,300円
720ml 1,760円

「雑記帳」といいながら、ここのところ「雑記」を載せられていませんが、少し落ち着いたらまた腰を落ち着けて書かせて頂きます。
皆様がご感想を寄せて下さるので、いつも大いに励みになっております。

新酒情報

2021.03.20

お待たせしました。
「和田龍登水(とすい) 美山錦」が22日(月)より発売になります。

バナナを思わせるジューシーな香りと含み香。
透明感の中に感じる上質な甘味。

フレッシュ感あふれる無濾過生原酒です。

当ホームページの「和田龍登水」お取扱い店様にてお求めください。

今月末には新酒第2弾として、和田龍登水 山田錦」が解禁です。

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