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広島軍団登場

2010.02.13

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食の月刊誌「danchu」3月号の日本酒特集を開いて思わず身が引き締まりました。
いつも大変お世話になっている広島の蔵元が写真入りで特集されているのです。
その名も「魂志会」。

私が面識があるのはこのうちの4名。
「天宝一」村上さん(右下)、「富久長」今田さん(下中)、「宝剣」土井さん(上中)、「加茂金秀」金光さん(右上)です。

どの方も経営者でありながら杜氏あるいは製造責任者として自ら陣頭指揮を取られ、その酒造りに対する溢れんばかりの情熱は、私にとっていつも大いなる刺激と勇気とを頂いています。

特集の写真もさることながら、文章がこれまた楽しい。
例えば「宝剣」の土井さんが若かりし頃、かなりやんちゃな事はお伺いしていたのですが、ここまでとは(笑)。
そしてその土井さんが酒造りに苦しむ中で、兄貴分と慕う村上さんと出会うくだりのカッコよさ、思わず身震いしてしまいました(ちなみに村上さんは昨年の12月5日の当ブログにも登場しています)。
更には女性杜氏として常に奮闘する今田さん、自らが目指す酒のために日々改革を行い続ける若きエース金光さん、どの方々も素晴らしい人たちで、そして醸すお酒は個性と魅力とに満ち溢れています。

「danchu」のこの記事を読んで、私もまた沸々と闘志が湧いてきました。
頑張るぞ!

またまた感動の1本

2010.02.06

また素晴らしいお酒に出会いました。

私が公私に渡ってお世話になっている須坂市(長野市の北に位置する街です)のM酒店のMさんから「よかったら後学のために」と頂戴した「郷乃誉(さとのほまれ)生酛純米大吟醸」(茨城県・須藤本家)の10年古酒。
10年古酒といっても、これは蔵元が寝かせたのではなく、Mさんが探究心のため自ら10年熟成させたもの。

Mさんは以前からメイン商材のひとつとして「郷乃誉」に惚れ込み取り扱われていて、私も折に触れいろいろな種類の「郷乃誉」を購入してはそのおいしさに唸っていました。
今から何年か前には、奈良の遺跡から炭化して発見された紀元前の古代米を遺伝子レベルで再現して仕込んだお酒「郷乃誉・山川草木」が発売され、2万円という価格に驚きながらも好奇心が抑えられずに友人数名と共同購入し、感銘を受けた思い出があります。

そして今回分けて頂いた「郷乃誉・生酛純米大吟醸」(Mさん熟成10年古酒)、これが10年経ったとは思えない透明感と柔らかさで、まさに「郷乃誉」のスタイルそのもの。
生酛ならではのしっかりとした酸や甘みもあるので、「軽い」のではなくキレある「旨口」で、まさに「深く柔らかい」味わいのお酒でした。
すいすい喉を通るのであっという間に飲み干してしまうところをすんでの所で踏みとどまって、あと数口分を次回のために残すのが精一杯でした。

ちなみにこの「郷乃誉」、どのお酒も使用米から始まって精米歩合・日本酒度・酸度など、成分が一切記されていません。
つまり、数字ではなく、あくまでも味わいで判断してほしいという蔵元の気持ちの現れかと察するのですが、これって確かにひとつの大切な姿勢かと思います。
今はとかく成分表示に惑わされて、私も含めてともすれば頭でっかちになってお酒を飲む場面も多いのですが、そうでなくてまず味わいはどうなんだ?そんな基本に立ち返って考えさせられた、そういう意味からも学ばされた1本でした。

さて話は変わりますが、「和田龍 純米しぼりたて生原酒」、おかげ様で今年度分の弊社の在庫は終了致しました。
お買い上げ頂いた皆様には改めて心より御礼申し上げます。
また2度3度とリピートしてご購入頂いたお客様や酒販店様には、その都度たくさんの勇気と元気を頂戴しました。
これを励みとして、これからも良質のお酒をご提供できるよう頑張りたいと思います。
本当にありがとうございます。

テキスト新調

2010.01.30

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写真の3冊は私にとって酒造りにおける座右の書です。
左側から
・酒造講本
・清酒製造技術
・国税庁所定分析注解
どれも真新しく見えるのは、このたび改訂版に買い換えたからです。

この3冊を初めて手にしたのは、私が学校を卒業して入った国税庁醸造試験所(現在は独立行政法人「酒類総合研究所」)の季節講習でした。

あれから約20年、青い表紙の「酒造講本」は、5年前から通い始めた「南部杜氏協会夏季酒造講習会」のメインテキストになっていたのを機に新版に買い替えました。
また、赤い表紙の「清酒製造技術」はこのたび「改訂版」が発売されたのを知って注文し、ついでに「所定分析法注解」も、こちらはほとんどページをめくる機会はなくなっているのですがせっかくだからと新版を発注して、発売元の日本醸造協会から届いたのが先日のことです。

既にぼろぼろになった古い3冊に比べると、当たり前ですが新しい本は染みひとつついていなくて、インクの匂いが立ち昇ってくるようで新鮮な感動に駆られます。
もちろんテキストはあくまでもテキストであって、酒造りの世界は正解のない手探りで未知の世界です。
ただその中でも、常に学ぶ姿勢を忘れてはならない、そんな気持ちの現れのひとつとして、リニューアルされピカピカになったこれらのテキストを折に触れ紐解いていきたいと思います。

おいしさの値段

2010.01.22

またひとつ、素晴らしい日本酒に出会えました。
「獺祭(だっさい)純米大吟醸45」(720ml/1,890円)。
価格まで記したのは、極めてコストパフォーマンスにも優れているからと思ったからです。

「獺祭」は今回が初めてではなく今までにも何本も飲んではいるのですが、今回の「純米大吟醸」をひと口飲んだ瞬間、改めてこのお酒の持つおいしさや魅力に圧倒された思いでした。

含んだ瞬間にまず感じるサラリとした舌触り、次に口の中で転がすと口いっぱいに広がる滑らかで上品な味わい、さらには強すぎず弱すぎずきれいに膨らむフルーティな含み香、それらが渾然となって口の中で踊り、そして飲み込むとスッと消え去ります。
そしてこれが1,890円!
見事なコストパフォーマンスです。

私が日頃からお世話になっている「獺祭」取扱い酒販店さんや飲食店さんから、蔵元の旭酒造株式会社の方針や酒造りの方向性は常々伺っていてその素晴らしさには心打たれていたのですが、今回その思いを新たに致しました。

ちなみに私も自社のお酒に関しての「コストパフォーマンス」、すなわちその味わいに対してお客様が妥当もしくは安いと感じて頂ける価格の設定にはいつも頭を悩ませております。

片やそのお酒の製造原価、片や自分が味わいから弾き出した販売価格、そのギャップに悩む事がしばしばで、必然的に利益を圧縮せざるを得ない結果となります(笑)。
もちろん製造原価分をしっかり価格に転嫁すれば済む話かもしれませんが、このスペックでこの味わいのお酒をこの値段で売りたいという自分のボーダーラインはどうしても譲るわけにはいかず、そのたびに葛藤する毎回です。

でもありきたりの言葉ですが、そうした苦労も、お客様の「おいしい」というひと言、あるいは「このおいしさでこの値段?安いね」のひと言ですべて吹っ飛びます。
これからもそのようなお酒を出荷できるよう頑張ります。

ちなみに予備知識として。
原価の中には酒税も含まれます。
酒税は製造場からお酒が出荷された時点で課税され、製造者が納税義務を負います。
税額は清酒・ビール・ウイスキーなど酒類によって異なります。
清酒の場合はアルコール度数に関係なく1キロリットル当たり120,000円と決まっており、換算すると一升瓶(1.8L詰)で216円、四合瓶(720ml詰)で86.4円、それぞれ酒税が掛かっています。
参考までにどうぞ。

さて、もうひとつお知らせです。
「和田龍純米にごり酒」が1.8L、720mlとも在庫わずかになりました。
3月もしくは4月には新酒に切り替わる予定ですが、それまでに一時品切れも予想されます。
取扱店様等、ご不明な点はお問い合わせ下さい。
これからもご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

お知らせ

2010.01.16

12月下旬に発売を開始した今期の「和田龍純米しぼりたて生原酒」ですが、おかげ様で大変好評を頂き、当社の在庫は1.8L・720mlとも残り僅少となりました。
取扱い酒販店様、あるいはご注文等お問い合わせは、当HPトップページ右下のアドレスからメールにて、あるいはお電話にてご一報下さい(日曜・祝日休)。
お買い求め頂きました皆様にはここで改めまして深く御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

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