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サービス業の真髄

2011.07.14

社員旅行で知多半島まで行って参りました。

その際宿泊したのが、私が日頃から敬愛する旅行代理店の社長から自信を持ってお勧め頂いた「活魚の美舟」。
知多半島の突端、南知多町の海岸沿いに位置する、その名の通り「活魚料理」を提供する旅館です。

まず感動したのは、その絶好のロケーション。
道路を挟んで目の前に広がる伊勢湾の向こうには、紀伊半島や渥美半島の伊良湖岬、さらには幾つもの離島が浮かび、海なし県の長野県民には何よりの光景です。

温泉につかったあとはいよいよ宴会ですが、こちらの料理も素晴らしいのひと言。
まだ身がピチピチと動く鯛の活き造りをはじめとした海鮮料理の数々は質も量もたっぷりで、社員の皆には生け簀の好きな魚を追加で頼んでいいよと言っていたにも関わらず、コース料理だけで大満腹・大満足の晩餐でした。

しかし、今回この「活魚の美舟」で心打たれた出来事は他にありました。

実はこの旅館が素晴らしかったからこそ、あえて一点だけ気になる点があって、それを後日指摘した時のことです。
それは普通の旅館でしたら言及する必要もないような、本当に些細な一点でした(ここではそれが何だったかはあえて触れません)。
でも、余計なお世話とも言えるこの申し入れを、この旅館はしっかりと受け入れて下さる予感がありました。

それは我々のチェックインとチェックアウトの対応をして下さった女性の専務さんが、ホスピタリティに溢れた素晴らしい方だったからです。

チェックインの時に初めて会話を交わした瞬間から、この専務さんはお客様の喜びを自らの喜びとする、そんなおもてなしの思いに溢れたお人柄がこちらにもひしと伝わって参りました。
チェックアウトの時、フロントのスタッフに「専務さんにくれぐれもお礼を申し上げて下さい」と伝えた直後、バックヤードから飛び出してきて下さった専務さんの明るい笑顔は、今回の宿泊の一番のお土産になりました。

だからこそ今回の一件も、私はその専務さんに宛てて発信致しました。
そうしたら思った通り、専務さんからすぐに返信のメールがありました。
それは私からの申し入れを真摯に受け入れて下さった、暖かさと誠実さとに満ちた内容のメールでした。
あとで前述の旅行代理店の社長に伺ったところ、専務さんはパソコンに不慣れな中で、一所懸命返信を打って下さったとの事でした。

今回の一件で、いつかまたぜひ「活魚の美舟」に再訪したい、そして再び専務さんにお目に掛かりたい、そんな思いに駆られています。
そしてサービス業とは、文字通り「サービス」という心と心の触れ合いが何よりも大切な事を実感した出来事でした。

活魚の美舟 http://www.mifune.yad.jp/

「長野の酒メッセ in 東京」開催

2011.07.07

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写真上:開場前の風景
写真下:和田龍酒造のブース


昨日、グランドプリンスホテル高輪にて「長野の酒メッセ in 東京2011」が開催され、弊社も出展して参りました。

猛暑のさなか、午後1時から午後8時まで、立錐の余地がないほどの大勢のお客様がご来場され、会場は終始熱気に包まれました。

今年で2年目の参加となる弊社のブースにも、旧知のお客様、また昨年のこの会でお知り合いになったお客様が多数足を運んで下さり、そこに新しいお客様も加わって、妻ともども、感謝の思いとともにお酒を注がせて頂きました。

開場してからずっと、それこそ休む間もなくお客様にお酒をお振る舞いし続けましたが、不思議と疲れは感じません。
お客様との会話に花を咲かせ、大いに笑い、そして私たちも楽しんでいるうちに、ふと時計を見ると、時計の針は既に午後7時過ぎ。
えーっ、時間が経つのがあまりに早い事に思わずびっくりです。

最後のお客様をお見送りし、片付けを終えると、それまで感じることがなかった足の痛みがどっと一気に押し寄せてきました。
でもこの心地よい疲れを感じる時こそが、展示会を無事終えた時の至福の瞬間なのです。

改めまして、今年もわざわざ和田龍酒造のブースへ足を運んで下さった皆様に心より御礼申し上げます。
これからも頑張ります。
本当にありがとうございました。

気になる言葉遣い

2011.06.30

最近仕事やプライベートで、とても気になる言葉遣いがあります。
それは「はい」ではなく「うん」と受け答えされる事です。

例えば買い物や商談の場で、こちらからの質問に対して、あるいはこちらの言葉に相手が相槌を打つ時に、「はい」ではなく「うん、うん」などと答えられると、一気に気持ちが冷めていくのが分かります。

私は基本的に、買う側も売る側も立場はイーブンというスタンスなので、自分が客側の時こそ、売る側である相手には丁寧に接していこうと思っているのですが、「うん」という受け答えはそんな思いを台無しにしますね。

電話でこちらが丁寧な口調で話している時に「うん、うん」と言われると、別の人に変わってくれと即座に思いますし、直接話している時にそのような言葉遣いをされると、それ以上話す意欲を一気に削がれます。

先日も仕事の電話で、こちらからの問い掛けに終始一貫して「うん」「うん」と答え続けた女性に対して、「です、ます」調で話していた私も、この人にはこちらの真心は通じないと瞬時に察して、あえて丁寧な言葉遣いを止めました。

普段から付き合いがあって気心が知れた人には、もしそのような言葉遣いをされた場合は、僭越な言い方ですがその方の今後のためもあえて忠告致しますが、その場限りの場合は不愉快な思いだけが心に残ります。

余談ですが、今私が愛用している車を買ったディーラーの営業マンが、当時は新人でしたがなかなか優秀なセールスで、彼のおかげで気持ちよく納車まで運びました。
ただひとつだけ気になる事があったので、最後に彼にあえて忠告しました。
「あなたのためを思って言うので、気を悪くしないで聞いて下さい。お客様は見ているので、爪は短く切ったほうがいいですよ」
彼は今でもその時のことを懐かしく話してくれます。

言葉のキャッチボール、そして気持ちのキャッチボールは、お互いが相手に敬意を持った上で、それがきれいに通じ合った時は、いつも気持ちがいいものです。

チェックインのひととき その2

2011.06.24

3/10の本ブログで「チェックインのひととき」と題して登場した品川区のTPホテル、その快適な滞在の様子を記しましたが、その正体はグランドプリンスホテル高輪です。
今日はその後日談を記します。

実はこのグランドプリンスホテル高輪、東北大震災の影響でその後しばらく休業しておりました。
6月上旬から営業を再開したのですが、その間に一度、私は仕方なく代替で、隣接するグランドプリンスホテル新高輪に宿泊致しました。

同じプリンスホテルで、ましてや同じ敷地内にあるのだからどちらでもいいではないかと思われるかもしれませんが、そこはそれ、やはりいつも慣れ親しんだ空間とスタッフの皆さんに触れ合えない寂しさが募ります。

そんな思いと共に予約した新高輪に、その日チェックインしたのは深夜0時を回った頃でした。
閑散としたフロントで手続きを終えると、とても好感の持てる中国名の女性スタッフから一通の手紙を渡されました。
部屋に入って早速封を開けると、それは高輪でお世話になっているフロントリーダーからの直筆の手紙でした。

これも以前ブログで書いたように、私は直筆の手紙に弱いのですね。
お忙しい中、自分に宛ててペンを走らせて頂いたその方のお気持ちを思うと、それだけで胸に熱いものが流れます。

その手紙には、高輪が休業している事のお詫びと、そしてスタッフ一同再開に向けて頑張っている様子とが丁寧な文字で綴られていました。
そして便箋の一番下には、グランドプリンスホテル高輪自慢のきれいな庭園の写真が貼られていました。
この手紙を読んだだけで、今回あえて新高輪に泊まった価値があったという思いでいっぱいでした。

思いには思いで返そうと、翌朝ホテル備え付けの便箋で、私もそのフロントリーダーへの手紙を直筆でしたためました。
それを持ってチェックアウトの列に並ぶと、昨夜チェックインを担当してくれた女性が目の前でお客様の手続きに追われています。
私は順番を後続に譲り、あえて彼女の前に進み出て、昨夜の心地よい対応のお礼を述べました。
笑顔で言葉を返してくれる彼女に、これをフロントリーダーに渡して欲しいと手紙を差し出すと彼女はハッとした様子で「少々お待ち下さい」とバックヤードに引っ込み、入れ替わりですぐにそのフロントリーダーが姿を見せました。

改めて彼の気持ちにお礼を言い、しばし会話に花を咲かせ、営業再開の際にはお伺いする事を約束してホテルをあとにしました。

そして先日。
約束通り、宿泊のためグランドプリンスホテル高輪を訪ねました。

品川駅からいつもの坂道を登り、途中に庭園内を突っ切る近道はあるのですが、滞在の始まりは正面からといういつもの思いで坂道を登り切り、入口への道のりを歩いていると・・・。

タクシー乗り場前のデスクに立っていた旧知のドアマンの女性が笑顔で私の名前を呼び、「お帰りなさいませ!」という掛け声とともに小走りで駆け寄ってきてくれました。
そして私に先立って入口の自動ドアをくぐり、「和田様ご到着です!」とフロントに引き継ぎます。
フロントの女性も「お帰りなさいませ」と笑顔で応え、その温かな受け答えに私の気持ちも弾みます。

さあ、今日も待ちに待った、心躍る楽しい滞在が始まります。

「Petit Bonheur (プチ・ボヌール)」

2011.06.17

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このブログにもたびたび登場する、このたび長野市へ移転した「Restaurant Bar Libiamo(レストランバー・リビアーモ)」。
先日訪問した時に、素敵なカクテルに出会いました。

移転に際して新しくスタッフとして加わったバーテンダーの富田圭子さん、若くて素敵な女性です。
初めて彼女にカクテルを頼んだ時から、ゆっくりと時間を掛けてそれはそれは丁寧に作られる彼女のカクテルを口にして、一遍でファンになりました。

上田市でオープンしてから10年来慣れ親しんだオーナーの坂田さんのカクテルも大好きですが、富田さんのカクテルもまたひと味違ってとても素敵な味わいです。

そんなある日のこと。
開店時間早々に駆け込んで、富田さんにアペリティフとしてお任せでお願いして出てきたのが、写真にもある彼女のオリジナルカクテルです。

名前は「Petit Bonheur(プチ・ボヌール)」。
「小さな幸せ」という意味です。
素敵でしょう?

ベースとなっているのはマスカットリキュール「ミスティア」、そこに薬草系のリキュール「スーズ」が加わって、爽やかな中にも奥深さが感じられる魅惑的な一杯に仕上がっています。

驚いたのは、グラスの淵に付いている色とりどりのプチプチした謎の物体。
これ、何だと思いますか?

正解は細かく砕いたコンペイトウです。
その発想に脱帽です。
カラフルな色合いが、カクテルの美しいグリーンに花を添えて、飲む者の目を、そして心をより一層楽しませてくれます。

「リビアーモ」に足を運んだら、ぜひ皆さんもこのカクテルで「小さな幸せ」を感じてみて下さい。

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