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パーク・アンド・ライド

2012.08.25

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先日、西軽井沢のお得意先から注文を頂きました。
できるだけ早くというご要望でしたので、翌朝、休日を返上してシーズン真っ只中の軽井沢へ出発、無事納品を完了しました。

時間はまだ10時過ぎ。
このまま帰るのはもったいないと、旧軽井沢に立ち寄ろうと急遽思い立ちました。
ただしこのオンシーズンに自家用車で旧軽井沢に入るのは自殺行為、駐車場の確保どころか街への車の出入りさえままならないこと必至です。

そこでいつも利用するのが、しなの鉄道を使ってのパーク・アンド・ライド。
少し手前の駅で車を預けて、あとは電車で軽井沢駅へ向かうという方法です。

私が向かった最寄り駅は、軽井沢駅より2駅手前の信濃追分駅。
駅前にお店1軒ない小さな無人駅です。
そして車を預けた駅前駐車場はパーク・アンド・ライドを推奨しているだけあって、12時間までは100円という激安価格に感激です。

駅舎に入ると、オフシーズンには人っ子ひとりいない小さな駅が今日は観光客で溢れています。
ちなみにこの駅は、駅員がいないどころか切符の券売機も設置されていないので、乗客はバスに付いているような小さな発券機から整理券を抜き取り、車内か降車駅で清算することになります。
これもまたローカル駅の醍醐味です。

やがて到着した電車もこの日は超満員でラッシュ並み、この区間で座れなかった事は久しぶりです。
そうこうしているうちに電車は軽井沢駅のホームに滑り込み、乗客は真夏の陽射しが降り注ぐ軽井沢の街に三々五々散っていきました。

かくいう私が寄った場所はというと、

・SIN(「JAP工房」軽井沢店・店長としばし歓談)
・茜屋珈琲店旧軽井沢店(お気に入りのコーヒー2杯)
・ブーランジェリー浅野屋(お土産にパンを山ほど)
・鳥勝(お土産に名物「鳥の丸焼き」1羽)

以上、充実した時間を過ごして参りましたとさ。

酒は人なり

2012.08.20

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今私が自宅で飲んでいるお酒の1本です。
長野県は小布施町にある高沢酒造「豊賀」。
私が尊敬する若き蔵元、高沢さんご夫妻が醸す渾身のお酒です。

香り、旨み、キレ、すべてのバランスが見事で、芳醇かつ飲み飽きしない、見事な味わいです。
高沢さんご夫妻と接していると、まさにこのおふたりの「和」が生み出した逸品である事をその都度実感します。

以前、関東の日本酒専門居酒屋で一杯のお酒をブラインドで出され、その香りと味わいの深みに感銘を受け正体を聞いたところ、それが高沢さんのお酒だった事もあります。

酒は造り手を体現する、そんな素晴らしい1本です。

ハヤカワミステリの愉悦

2012.08.13

私の住む上田市には大型書店がないので、しばしば長野市まで本の買い出しに行きます。
昨日も大きなバッグを持って長野駅前の書店に足を運んだところ、思わぬ掘り出し物が・・・。
これまでずっと探していたスティーブ・ハミルトンの「解錠師」をはじめとして、歴代のハヤカワミステリの名作がズラリと並んでいるではありませんか。
早速、持っていない本を片っ端から抱えて、一気に大人買いしてしまいました。
財布は軽くなったけれど心まで軽くなった嬉しいひとときを噛み締めたくて、同じ書店の中にある喫茶店に入り、戦利品を眺めながらひとりほくそ笑んだ私でした。

小説といえば、このブログにたびたび登場する私の友人で女流官能小説家の深志美由紀(みゆき・みゆき)。
いよいよ活躍の場を広げ、7月1日から日刊スポーツで連載を開始しました。
タイトルはズバリ「深夜に濡らして」。
とやまみーなさんのイラストと併せて、女性の視点から官能を描く深志美由紀ワールドが炸裂しています。
皆様、男女を問わずぜひご一読を。

ところで先日の夜、妻と一緒に「おおかみこどもの雨と雪」を観てきました(上田にできたTOHOシネマズは遅くまで上映しているので本当に助かります)。
細田守監督の傑作「サマーウォーズ」は上田市が舞台で、上映から2年経った今も上田市は「サマーウォーズ」熱が冷めやらずにいるのですが、そんな細田監督の新作、正直言いますと題材が題材なだけにあまり期待していなかったのですが、いやはや、予想以上の出来栄えに大感動、思わず涙してしまいました。
妻も泣いたとの事ですが、面白いのは私と妻の涙した場面が違うこと。
まだ観ていない方のために詳しくは申し上げませんが、私は主人公の雪が同級生の草平とふたりっきりの教室で告白する場面で涙したのに対し、妻はもうひとりの主人公の雨が山の頂で遠吠えするシーンで泣いてしまったとの事。
いずれにしても、親と子の葛藤や成長を見事に謳い上げた傑作でありました。

アニメ映画といえば、「グスコーブドリの伝記」もぜひ観てみたい一作です。
同じ杉井ギサブロー監督の「銀河鉄道の夜」が私は大好きでして、あの映画の猫の擬人化(加えて見事としか言いようのない細野晴臣の音楽)が表現する独特の杉井ワールドに何度も酔いしれたものですが、今回「銀河鉄道の夜」で観たあの猫たちが同じ宮沢賢治原作の本作のポスターや宣伝で描かれているのを見て、居ても立ってもいられない思いに駆られております。

「大長野酒祭り」レポート

2012.08.08

前々回の当ブログでもご案内した、8月5日(日)に東京四谷で開催された「大長野酒祭り~2012 in 四谷~」。
灼熱の暑ささえ吹き飛ばすものすごい熱気の中で無事終了致しました。

当日ご来訪頂いたお客様の総数は約500名。
私がブースを構えた四谷三丁目「酒徒庵」でも、オープンの14時からクローズの19時まで立錐の余地もないほどの混雑が途切れることなく、用意したお酒が次々と無くなっていきました。
そんな中で多くのお客様とお話ししながら、今回もたくさんの元気と勇気とを頂戴しました。

思いも掛けないお客様との再会も果たせました。

「長野の酒メッセin東京」で知り合い、毎年弊社のブースで楽しい会話に花を咲かすご夫妻の奥様は、当日朝のメールで「これから四谷の大長野酒祭りに行ってきます」と呟いただけなのに、それから数時間後わざわざお越し頂いて、ブースで声を掛けられてびっくり、そして感動。

また、しばらく前に東京からご来社頂いた3人組のおひとりの女性。
あの時は大いに話が弾んで、試飲して頂きながら楽しい会話で仕事そっちのけの約2時間。
その晩は私がご紹介した居酒屋さん2店にわざわざ足を運んで頂いたそうです。
思いも掛けずその女性から声を掛けて頂いて、あの日の楽しかった時間が改めて蘇ってきました。

おひとりおひとりにお酒を振る舞いながら、お酒を通じての出会いや感動を噛み締めているうちに、気が付いたら本当にあっという間の5時間が過ぎていて、最後はお客様と一緒に乾杯!
真夏の暑さに負けない灼熱の一大イベントは幕を閉じました。

東京のど真ん中で信州地酒のためにこのようなお祭りを企画・開催して頂いた居酒屋9店の皆様、そしてわざわざ足を運んで下さったお客様の皆様に、改めて心より感謝申し上げます。
来夏もまた四谷でお目にかかりましょう。

幻のタオル

2012.08.01

もうすぐお盆ですね。
それにちなんだ話題をひとつ。

しばらく前のことですが、娘にせがまれてX-JAPANのhideのお墓参りに行きました。
場所は神奈川県横須賀市の三浦霊園。

ちなみに私は以前にもひとりでhideのお墓参りに行ったことがあり、あの時は霊園に辿り着くまでも大変でしたが、それ以上に広大な霊園の中でhideのお墓を探し出すのに一苦労、疲れ果ててベンチに座りうしろを見たらそこが何と目指すhideのお墓で、思わず脱力した事が思い出されます(ちなみに係員に聞けばすぐに教えてくれるそうです、はい)。

さて、この日も娘と一緒に品川から京浜急行で揺られること1時間半で三浦海岸駅に到着。
駅前で花を買って、前回ひとりの時はバスでしたが今回はタクシーに揺られて、三浦海岸の絶景を見ながら目指す三浦霊園に着きました。

我々がhideのお墓に着くと、ひとりで来ていたファンの女性がちょうど帰るところで、いつもは多くのファンでいっぱいであろうお墓も、この時は我々ふたりだけ。
亡くなってから10年以上経つというのに、hideのお墓はファンからの献花であふれ、今もどれだけ彼が愛されているのかを目の当たりにして、改めて胸がきつく締めつけられる思いでした。
上田から持ってきた和田龍のカップ酒と駅前で買ったお花を供え、hideの墓前に手を合わせ、あとはしばらくの間、娘とふたりで何をするともなくhideのお墓をぼんやりと眺めていました。

そしてお墓をあとにしようとした時のこと。
ちょうどhideのお墓の掃除に来られた中年の女性とすれ違いました。
その方は立ち止まって我々を振り返り、笑顔で「どうもありがとう」と言葉を掛けて下さいます。
我々も頭を下げながら「こちらこそ、ありがとうございました」と言葉を返すと、「これを使ってね」とビニール袋を2つ、我々に差し出しました。
それはワインレッド色のhideのタオルでした。

翌日、娘が驚愕しながら教えてくれた事実。
そのタオルはhideのお母さんだけが持っている品物とのことでした。

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