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「和田龍新酒を味わう会」2012

2012.06.07

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写真上:神田将(かんだ・ゆき)さん
写真中:三遊亭鬼丸師匠
写真下:開宴


今年で26回目を迎えた毎年恒例の「和田龍新酒を味わう会」を上田市内のホテルで開催致しました。
ありがたいことに今年も約100名のお客様にご出席頂き、例年多くの皆様のご参加に感謝の思いでいっぱいです。

パーティは2部構成。
まずはコンサートタイムです。
今年のゲストは昨年に引き続き、通算4回目のご登場となるエレクトーンの第一人者、神田将(かんだ・ゆき)さん、皆様の熱烈なアンコールに応えての登場です。

http://www.yksonic.com/

昨年、中国湖南省張家界での国際音楽祭で「最優秀音楽演奏賞」を受賞し、今まさに脂が乗り切っている神田さんがこの日演奏された曲は以下の5曲。

・組曲「惑星」より「火星」ホルスト
・ニューシネマパラダイス
・歌劇「サムソンとデリラ」より「バッカナール」サン・サーンス
・さくら(「最優秀音楽演奏賞」受賞曲)
・歌劇「運命の力」より「序曲」ヴェルディ

いつもながらどの曲も「ひとりオーケストラ」の名に相応しい圧倒的な迫力と感動を持って我々の胸に迫り、鳴り止まぬ拍手の中コンサートは終了致しました。

そしていよいよ乾杯です。
この春に搾ったばかりの新酒が次々と運び込まれる中、乾杯のご発声はこのブログにもたびたび登場する「夢ハウスあずさ号」の鈴木浩駅長。
つい最近も「なにこれ珍百景」に登場したり、「王様のブランチ」では浅草キッドが「この20年で最も感動した場所」に挙げた、今や全国区のお店です。

http://www.yumehouse.co.jp/

そしてこの日はもうひとり、嬉しいゲストがご来場されました。
上田市出身の若手落語家、三遊亭鬼丸師匠。
「今日行くから」と突然電話が入ったのがお昼前のこと。
そして師匠は、埼玉でのラジオの帯番組を終えた足で新幹線に飛び乗って駆け付けて下さったのでした。

鬼丸師匠には乾杯のすぐあとにご挨拶を頂いたのですが、そこは落語家。
笑いに溢れたスピーチとともに小噺を2席ご披露頂き、場内は爆笑の嵐に包まれました。

途中恒例のくじ引きタイムを挟んで(この日の特賞は「和田龍大吟醸 12年熟成酒」)、あっという間の2時間半、最後は恒例の一本締めで今年の「新酒を味わう会」は幕を閉じました。

残ったお酒はお客様がすへでお持ち帰りになり、空きビンだけが残るテーブルを眺めながら、今年も無事この日を迎えられた喜びを改めてしばし噛み締めました。
ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。

「テルニエ・ロマエ」

2012.06.04

昨日、入っていた予定が急遽キャンセルになり久々に空いた日曜日の夕方、たまには映画でも観ようかと近くのシネコンに足を運びました。
何の映画でも良かったのですが、たまたま時間がぴったりだった「テルニエ・ロマエ」を選びました。

観終わってひとこと。
面白かった!
いやはや、予想外の面白さでした。

事前の知識として知っていたのは、公衆浴場がテーマで、主人公が古代ローマと現代日本を行ったり来たりする映画、そのくらいでした。
しかも公開初日の早朝のワイドショーでは、ローマ人のようなホリの深い顔の俳優たちが熱演、とか繰り返していて、見た目だけでキャストを選んだ映画なんて観る気がしないとさえ思っていました。

ところがところが、期待していなかっただけにその反動の大きさといったら。
とにかく笑い、時にホロリとし、そして何より観終った時に幸せな気分に浸っていた、そんな素敵な映画でした。

いつも大好きな快楽亭ブラック師匠のブログを読んでいたらこの映画に触れていて、「あっしが愛して止まない北温泉と河津の大滝温泉でロケをしているのだ」と書かれていたので早速アクセスしてみると、おお、映画そのままの浴場が載っていて、そのレトロ感も相まって思わずすぐにでも飛んで行きたくなってしまいました。

ちなみに私は「映画は映画館で」派です。
その一番の理由は、千数百円という入場料を払って、すなわち対価として自分の懐を痛めて初めて、その映画と対等に向かい合える気がするからです。
そういった意味では、映画評論家が無料の試写で映画を観て評論を書くという行為も個人的にはあまり認めたくありません。
頭が固すぎますかね。

いずれにしても「テルニエ・ロマエ」、映画館に足を運んで良かったなぁとしみじみ思えるハッピーな映画でした。

ミントの季節

2012.05.28

この季節になるとバーで頼むのは「モヒート」です。
でも今年はどのお店で伺っても「まだミントがない」とのことで、ずっとお預け状態で待つこと数週間。
ようやく今年初めての「モヒート」に、上田のバー「Dejavu(デジャブ)」で出会えました。

「モヒート」はミントの葉をすり潰して入れるラムベースのカクテルです。
マスターに伺うと、市販のミントは苦味が出るから自宅で栽培したミントを使われるとのこと。
そしてミントは、スペアミントよりペパーミントの方が味も香りも映えるとも。
ちなみにこの日はスタンダードのレシピでお願いしたのですが、もう少しダークなラムを少し加えるとまたグッと味わいが変わるとおっしゃっていました。
次回はぜひそちらも試してみます。

「モヒート」はミントの季節の到来を感じさせてくれる旬のカクテルです。

九州へ

2012.05.21

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写真上から
・五町田酒造(東一)
・富久千代酒造(鍋島)
・三和酒類(いいちこ)
・湯布院 玉の湯


長野県酒造組合青年部にあたる「若葉会」の研修旅行へ2泊3日で行って参りました。

今年の行き先は佐賀と大分。
私は今年も、万年旅行幹事も兼ねての参加です。
でも九州という遠方にも関わらず多くの蔵元が参加して下さったことで、私のテンションも俄然上がります。

早朝羽田を出発し、福岡経由で佐賀に到着して最初の見学先は、嬉野市にある「東一(あずまいち)」の五町田酒造です。
田園風景の中にバスが到着すると、遠方に見える建物から社長自らが走ってお出迎え下さり、その社長のご案内で早速蔵を見学です。

蔵の中は、製造数量の多さに反比例して、設備も在庫も極めて繊細かつ丁寧な管理がされていました。
毎年社員が総出で柿シブを塗り替えるという壁や柱の輝きや、より一層素晴らしい酒を醸すために手を加えられたあちらこちらの蔵独自の工夫には、蔵元だけでなく社員一丸となった情熱が垣間見える思いでした。

次に向かったのはすぐ隣の鹿島市にある、今や「鍋島」で全国区となった富久千代酒造です。

まず驚いたのは、酒蔵がある浜町の町並みの美しさ。
昔ながらの趣きを残した素晴らしい景観と建物、その小さな町の中に蔵元が6軒もあると聞いてまたまた驚きです。

富久千代酒造でも社長自らが蔵の中をご案内頂きました。
なちみに私は「鍋島」の、柔らかく膨らみのある味わいが大好きです。
年々生産量を増やしても瞬く間に完売してしまう「鍋島」がここから誕生するのかと思うと、原料処理から貯蔵に至るまで、すべての設備を見逃すまいと思わず力が入りました。

そして夜は佐賀市内で、富久千代酒造の飯森社長はじめ佐賀県酒造組合青年部(「佐醸会」)の皆さんも参加されての懇親会。
佐賀の蔵元の志の高さに大いに刺激を受け、そして大いに酔っ払ったひとときでした。

ちなみにそのあと、ひとりでふらりと訪問した繁華街の一角にある「バー山崎」。
店の空気、客層、そしてゆっくりと堪能した3杯のモルトウイスキー、どれも素敵で、マスターとの会話を楽しみながら佐賀の夜を堪能致しました。

翌朝は佐賀から一気に大分県宇佐市に移動。
目指すは「いいちこ」の三和酒類です。

えっ、何でわざわざ「いいちこ」へ?と思われるかもしれませんが、そもそも三和酒類の出発は日本酒醸造であった事と、もうひとつ、この日は事前にアポを取って、こちらもご多忙の中社長自らがご対応頂けることになっているのです。
酒類業界の最前線を走る「いいちこ」の社長のお話を聞けるのは間違いなく意義ある事と、佐賀から大分まで車を走らせた次第です。

さてその三和酒類、到着するやいなや社長と製造部長のおふたりがお出迎え下さり、その足で広大な製造場を端から橋までご案内頂きました。
その後は会議室に場所を移し、経営理念や今日に至るまでのご苦労等、我々の矢継ぎ早の質疑応答にも丁重にご回答下さいました。

さて、その晩は、湯布院の中でも最も有名な旅館のひとつ「玉の湯」に宿泊致しました。
とはいっても単なる物見遊山で泊まったわけではなく、せっかくの機会なのでその業界の最高峰を経験しようという事がひとつと、そしてこちらの宿でも、今や時の人となっている女性社長と懇談できる時間を頂けた事が大きな理由です。

その晩はみんなで至福の空間、温泉、そして料理を満喫。
翌朝、図書室を貸切にして頂いて、桑野和泉社長と歓談させて頂きました。
湯布院を愛し、そして湯布院と共生する中でオンリーワンの旅館を確立していった社長の思いは、異業種の壁を越えて私の胸を強く打ち続けました。

大友克洋GENGA展

2012.05.14

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東京末広町の「3331Arts Chiyoda」で開催中の「大友克洋GENGA展」に行って参りました(写真上)。

我々の世代にとって、大友克洋はまさにマンガ界のカリスマ。
18歳の時、初めて読んだ彼の作品「気分はもう戦争」で、そのあまりにも緻密かつ繊細な筆致とオリジナリティ溢れるアダルトな物語構成に、一発で虜になってしまいました。

大友克洋を知らない方でも、「AKIRA」をご存知の方は多いのではないでしょうか。
当時一大ブームを巻き起こし、大友自身の監督によりアニメ映画化されました。

さて、そんな彼の初の原画展は、大友克洋が宮城県出身でもあることから、東日本大地震の被災地支援の意味合いが込められており、入場料の一部とチャリティオークションの落札金額は寄付されます。
プログラムの文章が素敵なので抜粋します。

 私は漫画家なのだから、
 自分の力でできることは原画を出すことしかない。
 現在の私自身が最高と思えるものを提示する-
 それこそが、今の私に出来る漫画家としての最大の仕事であり、
 私なりの復興支援になる。
 
 大友 克洋 漫画家・映画監督
 
チケットは日時指定の予約制。
16:00の回を予約した私が10分ほど前に会場に到着すると、ちょうど入場の整列が始まったところでした。

心ときめかして並ぶことしばし、いよいよ開場です。
一歩室内に足を踏み入れると、そこには圧巻!!感動!!の大友ワールドが繰り広げられていました。

「気分はもう戦争」、「童夢」、「ハイウェイスター」、「さよならにっぽん」・・・見慣れたあの表紙、あのシーンの原画がところ狭しと展示され、体が打ち震えるような興奮で、1枚1枚の原画の前でただただ立ち尽くすばかりです。

そして別室には今回の最大の目玉、「AKIRA」の全原稿が一挙に展示されています。
しかも3部屋ぶち抜きです。
冒頭のネオ東京の一枚から始まって全6巻分、これを涙なくしてどう観ることができるでしょう。
どれだけ観ても観飽きることがなく、最後は後ろ髪を引かれる思いで部屋をあとにしました。

しかしこれで終わりかと思っていたら、もうひとつ、サプライズの部屋がありました。

室内に飾ってあったのは、「AKIRA」の主人公鉄男のバイクを再現した実物(写真中)。
そして「童夢」のクライマックスで、超能力を持つ老人チョウさんが超能力少女エッちゃんに叩き付けられたあの名シーンの壁の穴(写真下)でした。
しかも鉄男のバイクは、彼が来ていたのと同じジャケットを着て撮影可能でしたし、壁の穴もファンの皆さんがマンガ同様に壁に大の字に貼り付いて次々に撮影していました。

「大友克洋GENGA展」、5月30日まで開催しています。
私ももう一度行きたい!

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