記事一覧

私のひと皿

2025.07.26

ファイル 986-1.jpgファイル 986-2.jpgファイル 986-3.jpg

人生を変えた大好きな一皿を久々に味わってきました。

「レストラン ヴァンサン」の城悦男シェフがつくるコンソメ。

銀座「レカン」でトップシェフを努め、六本木に「レストラン ヴァンサン」をオープンした城シェフ。

創業以来クラシックフレンチのスタイルを守り抜き、彼が作る料理は返ってきた皿のソースがまったく残っていない事から「ソースの城」の異名を今も取り続けています。

かくいう私も、30代で城シェフの料理に出会ってからは、シェフのお人柄もあいまって、とにかくぞっこん。

ワインも含めれば決して安くはないお支払い額とはなりますが、そこは無理してでも至福の一皿を追い求め続けてきました。

そんな中で先日も、長年懇意にしているご夫妻からお誘いを頂き、お伺いする事が出来ました。

王道のクラシックフレンチ。

そしてこの日も出てきました。
伝説のコンソメスープ。

お皿が近づいてくるだけで、香りで分かります。

黄金色に澄んだこの透明なスープを作るために、何日間もの時間と手間暇とを惜しまず作られている事は、最初のひと口を飲んだ瞬間に分かります。

複雑で濃厚で、極限まで抽出されたさまざまな材料の味わいが口中を踊って・・・そして飲み干したそのあとは上質なコラーゲンが唇を覆う、その快感といったら。

味わって大切に飲もうと思いながら、いつも気が付くと空になってしまっている毎回です。

この日のメインは、これも城シェフのスペシャリテ「子羊のパイ包み マリアカラス風」。

しかも付け合わせは、大好物の、今年はこれが最後との事のホワイトアスパラ。

食後の城シェフとの楽しい会話もあいまって、4人での至福の夜は少しずつ、しかしあっという間に更けていくのでした。