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秘湯の名宿

2008.01.12

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上田市に隣接する青木村、その山間に位置する田沢温泉の一角に「ますや旅館」はあります。
ご覧の通り木造三階建ての建物は、しばらく前に国の登録有形文化財に指定されました。
島崎藤村が好んで逗留した事で知られ、「千曲川のスケッチ」では実名で登場し、その部屋は「藤村の間」として今でも使われています。
源泉100%掛け流しの温泉は程よいぬるさで、長時間浸かっていても飽きることはありません。
そして、特筆すべきは料理。
若社長自ら厨房に立って作られる料理はすべて地のもの。
近隣で採れる季節感溢れる山菜の数々、秋は松茸をはじめとするきのこ尽くし、そして鮎や鯉をはじめとする川魚あれこれ、あるいは馬や鹿といった野生の肉、これらが和のテイストだけでなく洋のテクニックも駆使されて目の前に並びます。
近くの川のせせらぎを聞きながらこれらの料理を楽しむひとときは堪えられません。

使用禁止

2008.01.10

お酒の味わいや香りをお客様に伝える時、様々な表現を使います。
さわやか、柔らか、キメ細かい、軽快、フレッシュ、厚みのある、とろりとした・・・等々。
あるいはフルーツをはじめとして、他の食べ物に例えることもあります。
その中で、自分としては絶対に使わないと決めている語句がひとつあります。
それは何かというと、「ワイン」という言葉です。
「ワインのような」とか「ワインを思わせる」といった表現がそうです。
理由は単純で、単に日本酒を扱う者の意地です。
ですので、酒器をお勧めする時も「ワイングラス」とは言いません。
「クリスタルグラス」とか「透明な器」とか、そこは表現が難しいのですが、でも意地で突っ張ります。
ちなみに、だからといってワインは飲まないという事は全くなくて、清酒に並んで大好きです。

お酒の定義

2008.01.08

「お酒」とは何でしょう?
酒税法上の規定では、酒類とは「アルコール分1度以上の飲料」とされています。
ですので、例えばアルコール分が1%未満のアルコールフリービールは、法律上は「お酒」ではありません。
でも、飲んだらその分だけ、たとえわずかでもしっかりアルコールは蓄積されますので、車を運転される方は気をつけて下さい。

では「清酒」とは何でしょう?
大切なのは次の2点です。
①米・米こうじ・水を原料として発酵させること。
②漉(こ)すこと。
特に2点目の「漉す」というのは大切で、これが「どぶろく」との大きな違いです。
「清酒」は漉すことが、そして「どぶろく」は漉さないことが定義付けされています。
ちなみに「にごり酒」は、粗い目でしっかりと漉されています。

名前繋がり

2008.01.06

お客様のお名前が弊社の銘柄「和田龍」と同じ、あるいは一部分重なっているとご連絡・ご注文頂くことが時折あります。
そんな時はご縁を感じて本当に嬉しいですね。
中には、それがきっかけで公私に渡る長いお付き合いとなったお客様もいらっしゃいます。
先日も、そんな関西のお客様から、お嬢様が仕事の関係で上田市を訪問されていると、リアルタイムでご連絡を頂きました。
こういう時こそ何はさておき駆け付けねばと、お仕事中の現場へと直行致しました。
お忙しいさ中でしたのでほんの数分しかお話しできませんでしたが、幼少の頃ご家族で上田遊びに来られた事を覚えて下さっていて、久方ぶりの再会に本当に感激致しました。
出会いの素晴らしさをしみじみ噛み締めたひとときでした。

お酒の色

2008.01.05

あけましておめでとうございます。
無理のない範囲で肩の力を抜いて始めたこの「雑記帳」ですが、思わぬ方面から「読んでるよ」コールを頂いたりして、緊張すると共に励みにもなっている今日この頃です。
これからも時間を見つけてアップしていきますので、よろしくお願い致します。

さて、今日の話題。
お酒を扱っていて、ここのところしみじみありがたいと思うのは、お酒には色がついていて当たり前という認識が広がってきたこと。
そう、お酒にはもともと色があるのです。
そして、お酒を熟成させればさせるほど、色も少しずつ増してきます。

一方で、お酒の製成過程には「活性炭ろ過」というものがあります。
これは、搾ったあと、炭素の粉末の表面に空いた大小さまざまな多数の孔(あな)に、お酒の着色物質や雑味・雑臭成分を吸着させて除去し、品質をきれいにし安定させる技術です。
ただし、ここで活性炭を使い過ぎると、お酒の良い香りや味わいまで失われてしまうどころか、お酒の個性そのものが奪われ平坦な酒質になってしまう、いわば「活性炭ろ過」は両刃のつるぎなのです。

ですので、最近はこの「活性炭ろ過」は極力抑える方向にあります。
そこには、搾った時の状態にできるだけ手を加えたくないという思いがあります。
ちなみに、最近よく見られる「無ろ過」というお酒は、この「活性炭ろ過」をしていない、という意味です。
正直言うと10年ほど前は、お酒に少しでも色があると、お客様から直接苦情が来たなんて経験もしました。
でも今は、お酒に色があるのは自然なこと、そう思って頂けるので、こちらとしても胸を張って出荷できます。
そしてそれは蔵元だけでなく、このような知識を少しずつお客様に伝えて頂いた酒販店さんのお力が大きいと感謝しています。

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