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気まぐれ富山

2008.07.25

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所要のため富山市を訪れました。
夕方、次の予定まで2時間ほど空いたので駅前のホテルにチェックインしたあと、せっかくの富山の風情を楽しもうと、何とはなしに富山駅まで足を運びました。

僕はこうやって知らない土地を当てもなく歩くのが大好きなのです。
この日もとりあえず富山駅まで行ってから、2時間の範囲内で電車で往復できる場所をチェック。
ちょうど、富山駅から5駅先の高山本線「越中八尾(えっちゅうやつお)」行きの各駅停車が発車する事を発見して、ホームの片隅に停まっている2両編成のディーゼル列車に飛び乗りました。

3割ほどしか埋まっていない車内は、ひと駅到着するごとにお客さんが下車し、単線でだんだんと自然の中に分け入っていく車窓と共に、ローカル線の趣きが深まっていきます。
約30分ほどで終点の越中八尾駅に到着。
思いのほか大きな駅のホームに降り立って、今来た列車が折り返し富山駅行きとなるまでの30分間、駅の外に出てみる事にしました。

駅前商店街はあまり人通りもなく閑散としていましたが、1時間前までは考えてもいなかった土地に自分が立っている事を思うと、それだけで束の間の旅の風情が感じられて、自然と心も躍るのでした。

時計を気にしながら駅に戻り、先程来た列車に再度乗り込むと乗客は私ひとり。
やがて乗り込んで来たもうひとりの男性とふたりだけを乗せて、列車は富山に向って発車しました。

富山駅に着いたのは午後7時半前。
その足でタクシーに乗り込み、どこへ向かったかはまた次回に続きます。
(写真は越中八尾駅と駅構内)

酒粕が最盛期

2008.07.18

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夏の酒粕の出荷が今、最盛期を迎えています。
弊社も連日、タンクから酒粕を掘り出して袋詰めする作業におおわらわの毎日です。
これらの粕は主に漬物用に使われます。

酒粕は、清酒のもろみを搾った時にお酒から分離される固形分です。
この時の酒粕がいわゆる「板粕」です。
この「板粕」を槽やタンクに積み入れて、足でしっかり踏み込んで数ヶ月熟成させた粕が、今の時期の「踏み込み粕」です。
熟成の間に粕中の酵母によりアミノ酸が増産され、味わいも一層深みのあるものとなります。
この豊富なアミノ酸こそ、酒粕が健康食品といわれる所以です。

さて、その酒粕ですが、巷では品不足が続いています。
弊社もその例に漏れず、発売前の段階で予約でほぼ完売してしまいます。
理由はいろいろありますが、やはり全国的に日本酒の需要が減少している事が大きいです。
お客様から「もっと酒粕を造ればいいのに」と言われますが、その時は「もっとお酒をたくさん飲んで頂ければその分酒粕もたくさんできますよ」とお答えしています。
粕漬けや酒粕料理の伝統文化を守るためにも、皆さん、日本酒を飲んで下さいね。

ルミネ the よしもと

2008.07.10

先日、新宿にある「ルミネ the よしもと」に初めて足を運ぶ機会に恵まれました。
「よしもと」の芸人さんが毎日、しかも1日3回、日替わりで出演するこのライブハウスにはぜひ一度行ってみたいと思っていました。

当日、開場時間の午前11時30分に新宿駅直結のルミネ7階に上がると、そこはすでに「よしもと」ワールド。
目の前に広がる「よしもとテレビ通り」なるグッズ売り場には大勢のファンが詰め掛け多彩なグッズを物色中。
グッズそのものにはあまり興味がないと思っていた自分も思わず目を奪われ、ついお土産用に若手芸人ストラップをいくつか購入してしまいました。
開場の案内と同時に場内に入ると、450席ほどのこじんまりした場内は既に凄い熱気、指定席は既に完売らしく「立ち見スペース」にも大勢の観客が詰め掛けていました。

さていよいよ開演。
場内が暗転すると、舞台の両脇にある大型モニターに、CG動画と共に出演者の名前が紹介され、最初の「トータルテンボス」という文字が現れると同時に場内は大歓声。
目の前にいつもテレビで見ている芸人さんが登場すると自分も思わずヒートアップして、いつの間にかステージに釘付けになっておりました。
続いて「ロバート」「ハイキングウォーキング」と3組が登場したあとは、「万年副座長大山英雄スペシャルコント」なるコテコテの吉本新喜劇、さらに休憩を挟んで登場は「タカアンドトシ」「カリカ」「次長課長」そしてトリは本場大阪で人気を誇る「矢野・兵藤」まで、怒涛の2時間半があっという間に過ぎていったのでした。

思いも掛けない収穫は、この日初めて生で見る「吉本新喜劇」。
街角のうどん屋を舞台に繰り広げられる喜劇は、とにかく次から次へと笑いの波状攻撃で、1時間近い舞台の最初から最後まで、他の観客ともども涙を流さんばかりに笑い続けました。
とにかく役者さんの芸や笑いの質が完成されているんですね。
タイプは違いますが往年の「8時だヨ!全員集合」で繰り広げられたザ・ドリフターズの生放送のコントのように、質の高い笑いに観客は安心して身を委ねられる、そんな心地良さがありました。

そんなこんなを含めまして、ライブの醍醐味を心底堪能したひとときでした。
はっきり言ってハマりそうです。ぜひ皆様もいかがですか?

瓶の芸術

2008.07.04

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写真は上田市内の加工会社「曽根ステンレス」曽根久子さんの作品です。
ご覧の通り、弊社の清酒の瓶にデザインを直接彫り込んで下さっています。
この方は、ガラス・木材・金属・石材等への彫刻を専門とされており、
12/3の当ブログにも「龍」の作品を掲載させて頂きました。
それを見たお客様から、ぜひ私にも作品を彫ってほしいとの要望があり、届いたのがこの2本です。
デザインは「ウグイス」と「桜」。
本来であればもう少し早く掲載すべきだったのですが、4月中旬、ちょうど信州の桜が満開の時期に合わせて作って頂きました。
実物を見ると、デザインの繊細さ、彫り込みの緻密さに、より感動されること必至です。
弊社用に作って頂いた「龍」と「シャクヤク」のデザインの2本は大切に店頭に飾ってあります。

レストラン ヴァンサン

2008.06.28

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六本木にあるフランス料理店「レストラン ヴァンサン(Vincent)」をご紹介致します。
シェフの城悦男氏は、ヨーロッパ各地のレストランで研鑽を積んだのち日本に戻り、グラン・メゾンの誉れ高い「銀座レカン」で井上旭氏とともに長年シェフを務め、その後独立して1995年、現在の地に「ヴァンサン」をオープン致しました。

旬の素材を惜しげなく使い、クラシック・フレンチの王道とも言える各種のソースをしっかりと絡ませた料理の数々は、多くのファンを魅了しています。
そのソースのあまりのおいしさに、お皿が厨房に返って来る時にはきれいにピカピカになって戻ってくることから、「ソースの城」の異名も取っています。

私がこのお店に通い始めたのは、かれこれ十数年以上前になると思います。
たまたま、ボルドーの「シャトー・コスディストゥルネル」のオーナーが来店したパーティに身分不相応にも参加させて頂き、その時初めて口にした城シェフの料理の虜になったのでした。
その後も、まだ社会人に成り立てで収入も少ない中、お金を掻き集めては「ヴァンサン」の空気とそして城シェフのひと皿ひと皿を味わいに行きました。
今でも身分不相応の思いはありますが、それでもその世界のトップに触れる経験はきっと大切なことと信じて、できるだけ足を運ぶ機会を作りたいと思っています。

思い出深い料理はたくさんあります。
初めて伺った時に食べた「牛尾の赤ワイン煮込み」、城シェフが「レカン」時代に発明した「子羊の背肉パイ包み焼き・マリアカラス風」、その時は土のイメージが共通するということで贅沢にもコルトンシャルルマーニュをソースに使った「白アスパラとオマール」、数日前に完成したばかりとおっしゃりながら出して頂き大いに感激した「スズキのゲヴィツトラミネールソース仕立て」、冬のジビエの時期には特に味わいが格段に増す火の通し方がいつも絶妙な「鹿肉のソテー」・・・挙げ始めたらキリがありません。

でももう一品、これだけはどうしても外せないというひと品があります。
それは城シェフが作るコンソメスープ。
手間隙を惜しまず贅沢に作られたコンソメは、運ばれてきた瞬間、黄金色に輝く透明な色合いと、そして立ち昇るふくよかな香りとにまず目と鼻を奪われます。
そしてひと口味わうと、透明感溢れる味わいの中に肉と野菜のエキスがバランスよくそして上品に抽出されていて、その圧倒的なおいしさと共に、コンソメという料理の奥深さに心地良く叩きのめされるのです。

城シェフは料理の合間に手が空くと厨房から客席フロアに現れて、満面の笑顔と共に各テーブルを回って挨拶をされます。
常連さん、初めてのお客様、分け隔てなく回っては声を掛けられ、そんなシェフの姿や会話を楽しみながら、テーブルの料理はより一層おいしさを増すのです。
とかく「現代風」と銘打ったフレンチが多い中、ここは私が大好きな「クラシックフレンチ」の一軒です。

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