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私の座席

2021.06.04

上田市内に古くからある映画館「上田映劇」。

ここで初めて観た映画は小学校5年生の時の「タワーリングインフェルノ」でした。

それから今日まで、途中東京に移り住んだ8年間を除き、一体どれだけこの映画館に足を運んだことか。
座席数わずか270のこの小さな小屋で、数限りない至福の数時間を過ごしてきました。

この上田映劇は数年前、上田市内に東宝シネマズがオープンしたあおりを受けて一度閉館しました。
しかし復活を求める熱烈な声と共に、上田映劇は蘇りました。

以降、ミニシアター系のラインナップを中心として、今も上映を続けています。

12月のこのブログで「ニューシネマパラダイス」を観に行った事を書きました。

https://www.wadaryu.com/blog/archives/752.html

その時、帰り際に上田映劇を応援する思いを込めて、年会費1万円の「上田映劇特別会員」に申し込みをしました。
一番の特典は、座席の背もたれに名前の入ったプレートが貼られ、その席の「シートオーナー」になれる事です。

そして先日、半年ぶりに妻と上田映劇に足を運びました。

観た作品は「ターコイズの空の下で」。
柳楽優弥主演の、広大なモンゴルを舞台とした「ロードムービー」です。

我々は「シートオーナー」になった自分の席がどこか、当日不在だった支配人の代わりに若いスタッフに聞きました。
が、分からないとの返事。
すぐに支配人に電話で問い合わせてくれたのですが、やはり支配人も出先では分からないとの事でした。

仕方がないので、我々を含めて観客3人の館内で映画を堪能したあと、スタッフに了承を得て、277席のシートに付いたプレートを見て回りました。
しかし慌てていたせいもあり、私の名前は見つかりません。

最後は諦めて、私たちは映画館をあとにしました。

数日後、私は上田映劇に、自分の席を教えてもらうためにメールを送りました。
そうしたらすぐに支配人から丁寧な返信が届きました。
心からのお詫びとお礼がこめられた温かなメールです。

A-14。

最前列、真ん中のシマの一番右。

これが私の座席でした。

何でこの席が見つけられなかったのだろう。
つぶさに見て回ったはずなのに。
でもやっぱり嬉しい。

最前列はちょっと見づらいけれど、でも次回はこの席に座ってみたいと思います。
今度行くのは、大・大・大好きで、学生時代から数え切れないほど観た「戦場のメリークリスマス」の「4K修復版」かな。

レジでの狼狽

2021.05.29

現在スポーツニッポンでも鋭意連載中の、友人の女流官能小説家、深志美由紀(みゆき・みゆき)。

彼女の作品が月刊「新鮮小説」の最新号に掲載されるという事で、ネットで購入しようと思っていたところ、ふらりと立ち寄った馴染みの書店で棚に並んでいるのを発見しました。

買いたいのですが・・・表紙はグラマラスなお姉様のイラストが描かれた、ひと目見ただけで官能小説誌。

こっそりネットで買えよ、いやいや、ここで見つけたんだから恥ずかしがらずに今買っちゃえよ。
心の中で2つの思いが交錯します。

迷った末にグワシと本を手に取ってレジに向かったのはいいのですが・・・よりによって目の前に立っていたのはうら若き女性の店員さん。

焦った末に「あの、ですね、(表紙の「深志美由紀」の名前を指さしながら)彼女が私の友人でして」と必死で正当性を説明する私。

それに対して「そうだったんですね!」と明るく理解を示すリアクションが返ってくると思いきや・・・店員さんは無表情で「はい」と呟くと「袋に入れますか?」と、私の思いなどまるで眼中にない淡々とした対応が続きます。

いたたまれなくなった私は「恥ずかし~」とひと声発したのですが、それすらも無視されて「はい、どうぞ、ありがとうございます」と、冷静に包んだ本を差し出されました。

あとで顛末を妻に伝えると、ひとこと。
「そんなの、店員さんは何とも思っていないんだから、普通に買えばいいんだよ」

でもな~、通い慣れた地元の書店で50過ぎの男性がエッチな本を持ってレジに向かうのって、やっぱり恥ずかしかったのです。

そうまでして購入して読んだ深志美由紀の小説は、いつもに増して濃い味わいが脳裏を刺激しました。

皆さん、深志美由紀を応援してくださいね。
単行本もたくさん出ています。

「地酒屋くんちゃんの『呑んでるか~い』」

2021.05.22

私の恩人でもある、上田市の地酒専門店「地酒屋宮島」店主、宮島国彦氏(通称くんちゃん)がラジオのパーソナリティを務めています。

FMとうみ「はれラジ」の「地酒屋くんちゃんの『呑んでるか~い』」。

4月から始まったばかりですが、めっちゃ面白いです。
ていうか、くんちゃんはマジでプロのパーソナリティ?っていうくらいクオリティの高いしゃべりに、毎回心ときめかしています。

地酒の紹介あり。
日本酒講座あり。
地酒にちなんだシャレたコーナーあり。
そして、くんちゃんが地酒と並んで愛いて止まないサザン・オールスターズのトークとBGMあり。

さすが、以前も信越放送の帯番組でレギュラーの吉本芸人を相手に、毎週地酒愛を互角に語り合っていただけあります。

ちなみに地酒屋宮島さんは、信州の地酒のみに特化した、そのこだわりに全国からお客様が集まる、オンリーワンのお店です。

そして私が冒頭にくんちゃんを「恩人」と書いたのにも訳があります。

それは、今から15年以上前。
地酒屋宮島(当時は宮島酒店)さんと念願のお取り引きに漕ぎ着ける事ができた、その翌年のこと。
くんちゃんから次のような提案が。
「澄夫さん、せっかくいいお酒が出来たのだから、我々専門店にダイレクトに届く、別銘柄のお酒を造ろうよ」

そして生まれたのが「和田龍登水」です。

これが和田龍酒造の大きな転機となり、今に至ります。
くんちゃんはまさに「和田龍登水」が生まれるきっかけを作ってくれた大恩人なのです。

さて、その「地酒屋くんちゃんの『呑んでるか~い』」。

毎週木曜日 17:40~17:55
(再放送:毎週日曜日 17:30~17:45)

「はれラジ」で検索して頂き、「アプリで聴く」→「ダウンロードはこちらから」に進んでください。
ダウンロードしなくても、プレーヤーをONにして頂ければ簡単に聴くことができます。

地酒ファンなら一聴に値する15分間。
ぜひアクセスしてみてください。

「恩人訪問」リターンズ

2021.05.14

「小さな酒蔵応援団 革命君」店主、齋藤哲雄さんの訃報がまだ心の中を引きずっています。
今も時折、齋藤さんのあの笑顔が蘇ってきます。

そんな中、2年前に「恩人訪問」と名付けたこんな記事を書いたことを思い出しました。
よろしければご一読ください。

https://www.wadaryu.com/blog/archives/662.html

ちなみに齋藤さんと最後に会ったのは昨年2020年3月24日でした。
この日の午後、上田を訪問された齋藤さんは数蔵を巡ったあと、夜は上田市内の4蔵を囲んで酒談議に花を咲かせたのでした。
千鳥足の齋藤さんを21時過ぎの新幹線に乗せるべくみんなで上田駅の改札口まで送った、あの時の齋藤さんの笑顔を忘れません。

先日も、齋藤さんと懇意にされていた都内の鮨処のご夫妻がわざわざご来訪下さいました。
お互い初対面とは思えないほど会話が盛り上がり、楽しい時間が過ぎていきました。
齋藤さんが遺して下さった「ご縁」という大きな財産は、これからもずっと生き続けています。

サービスの温度差

2021.05.06

スターバックスによく行きます。

頼むのは大抵「ホットコーヒー」の「ショートサイズ」を「マグカップ」で。
税込み319円。

この商品の特典「One More Coffee」で、レシートを出せば2杯目は162円でお替りができるので、本を読みながらアツアツのコーヒーを2杯楽しむ毎回です。

私の街には3店のスターバックスがありますが、通っていると、お店によってサービスの温度が微妙に違うのが分かってきます。

表向きのサービスは同じです。
これはマニュアル通りです。

たださり気ない微妙なシーンで、それぞれのお店の温度差が如実に現れてくるから不思議です。

具体的には、市内のショッピングモールに入っている2店はいつも大変快適ですが、その反面ドライブスルーも付いたロードサイドの大型店は座席は快適ですがサービスのムラが頻繁に顔をもたげてきます。

以前このブログで、高校生がつまづいて、手に持っていたストロベリーフラペチーノを私が頭から浴びた顛末を書きましたが、この時とても気持ちのこもった温かな対応をしてくれたのはアリオ上田のスタバでした。

頻繁に「スターバックスラテ」を頼んでいた一時期、幾度となくハートのラテアートをさり気なくあしらってくれたのもこちらのお店の女性スタッフでした。

逆にロードサイドの大型店では、ブラックエプロン(格上)のスタッフが挨拶もなしに私のうしろに平然と客として並んでいたり、大好きなフレンチトーストを頼んだ際にいつものトレイもナイフもフォークもトーストを包んでいる紙ナプキンすらもこちらが言うまで用意されなかったり(意地悪されているのかと思いました)、ドライブスルーで妻のために「フラペチーノ」の「シトラス果肉追加」を注文したら、スタッフが私のドリンクを作りながら馴染みの客に「果肉追加」の意味を大声でフランクに教えているのが窓口越しに見えてきたり・・。
このお店は広さとシートが心地よいので行きますが、サービスは一切期待しなくなりました。

ちなみに昨日は、前述のアリオ上田内のスタバに行って「コールドブリューコーヒー」(アイスコーヒー)を頼んだところ、男性スタッフが「今日はいつものホットではないんですね。暑いですものね」と笑顔で語り掛けてくれました。
そのひとことがどれだけ心を解きほぐしてくれることか。

スタバに限らず、そのスタッフのひとことが心の内面から出た言葉か、あるいは上っ面の言葉かはすぐに分かります。
私も改めて肝に銘じたいと思います。

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