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「蔵の中」

2019.04.06

書店に行った際に、大好きな横溝正史がフェアで並んでいるのを見つけて釘付け。
まだ入手していない作品がないか眺めていて、ハッと目に付いたのが「蔵の中」、すぐに棚から抜き取りました。

「蔵の中」。
これは金田一耕助シリーズとは全く別の、独立した耽美的小説です。

この作品に初めて触れたのは私が高校生の時。
角川で映画化され、金田一耕助シリーズの「悪霊島」と同時上映されたのが最初でした。

「悪霊島」で流れるビートルズの「LET IT BE」が、なぜか横溝作品のラストシーンを飾るのに見事にマッチしていたという衝撃を凌ぐ衝撃が、この「蔵の中」にはありました。
(ちなみに現在は版権の関係で「悪霊島」のDVDからは「LET IT BE」はカットされているそうです)。

隔離された蔵の中での、病に伏せる姉と、姉に思いを寄せる弟とのただならぬ関係。
そしてふたりが蔵から双眼鏡で覗き見る異端の世界。
陰影を含んだ官能的な映像とともに心に飛び込んできたシーンの数々は今も忘れません。

余談ですが、主演を演じた無名の美人女優、松原留美子が実はニューハーフだった事も大いに話題になりました。

いずれにしても、2本立てのメイン作品をサブ作品が食ってしまったという稀なパターンを、この時私は体験したのでした。

さて、その「蔵の中」ですが、実は小説は未読のままです。
今回即買いしたので、早速時間がある時に熟読しようと思っています。

「幻想交響曲」

2019.03.23

上田市の某音楽に関するアンケートに回答したらコンサートのチケットが当たったので、妻と行ってきました。

大友直人指揮/群馬交響楽団
ベートーベン「ヴァイオリン協奏曲」
ベルリオーズ「幻想交響曲」

私はベルリオーズ「幻想交響曲」が大好きで、20代の頃はこの曲を聴きに、よくホールに通っていました。
特に、艶のあるタクトを振る小林研一郎が大好きでした。

そして20年振りに聴くライブでの「幻想交響曲」。
不覚にも途中で涙がこぼれてきてしまいました。

それはもちろん、ハープとともに奏でられる華麗なワルツや、特に後半、多くの打楽器が打ち鳴らされる圧倒的で荘厳な旋律に心打たれたのももちろんです。

ただそれ以上に胸が熱くなったのは、20年前と同じ光景が目の前に広がり、20年前と同じ感動が身体を包んでいるのを実感して、偉大な芸術の前では、自分の存在も自分が過ごしてきた時間もそして悩みも、すべてがまだまだちっぽけなものに過ぎない、そんな世界の雄大さや普遍性を感じ取ったからです。

カーテンコールの間、誰にも負けないほど大きな拍手を送り続ける自分がそこにいました。
自分はまだまだちっぽけで、だからこそまだまだ頑張れる、そんな勇気と元気とを与えてもらった、素敵なコンサートでした。

そしてもうひとつギフトが。
夏には大好きな小林研一郎が、十八番のチャイコフスキーを携えて来館するとの事。
コンサート後にすぐにチケットを求めた私と妻でした。

切符紛失

2019.03.09

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先日東京出張の際、上田駅の改札口を通ってホームに着くまでのたった3分の間に切符を紛失してしまいました。

ポケットを何度探してもない、と焦っているうちに新幹線が到着してしまい、泣く泣く切符を再発行=再度購入する覚悟を決めて、指定席のはずが席が分からなかったので自由席に座りました。

すぐに車掌室に向かい、車掌さんに訳を説明して「買い直します」と言うやいなや「上田駅に問い合わせますので、席でちょっと待っていてください」との返答。

そこからが嬉しかった。
領収書を見た車掌さんが自由席に戻る私を追いかけてきて「これは上野までの指定席の料金ですよね」と、わざわざ空いている指定席を探して座らせてくれたのです。

そして大宮を過ぎた頃。
車掌さんが席へ来て「上田駅で切符が見つかりました!」と満面の笑みで手渡してくれたのが、写真の書類です。
「領収書の番号とも一致していますのでお客様の切符に間違いございません」

お金を再度払う事よりも、数分の間に紛失してしまったという事実に落ち込んでいた私は、車掌さんの言葉と笑顔にどれほど救われた思いだったことか。
何度も何度もお礼を述べる私でした。

そして到着した上野駅。
新幹線の有人改札で書類を出して「実は切符を紛失してしまって・・・」と言った瞬間、駅員さんが「報告が入っています」と笑顔で返答してくれた時の驚きといったら。
そこまで気遣いをして下さった車掌さんひいては上野駅の駅員さんには、ありがたい思いでいっぱいでした。

小雨降る天候とは裏腹に、軽やかな気持ちで最初の目的地に向かう事が出来た、ささやかな嬉しい出来事でした。

長野運輸区の若林車掌さん、本当にありがとうございました。

振り向いたらそこに・・・

2019.02.16

出張で東京へ行った際、所要でSホテルのラウンジへ赴きました。

このSホテルには、同じ系列で普段私が定宿にしているTPホテルから異動してきたUさんという女性スタッフがいます。

彼女は笑顔が素敵で、前のTPホテルでは折に触れとても細やかなサービスをしてくれた、大好きなスタッフのひとりでした。

今回Sホテルを訪れるに当たって、できれば彼女をフロントで呼び出して久々に会ってみたい、そんな思いにも駆られていました。

さて、ラウンジに足を運んだ時の事です。

ドアを開けようとした瞬間、「和田様!?」
呼ばれて振り返ると「和田澄夫様ですよね!」
そこには変わらぬ笑顔のUさんが立っていました。

何という偶然。
しかもフルネームを覚えていてくれたという感激。
瞬時に嬉しさがこみ上げてきて胸がいっぱいになりました。
お互いに驚きとともに言葉を交わしながら、この劇的な出会いをしばし喜び合いました。

数時間後、ラウンジを出ようとした時も、この偶然の嬉しさが胸を離れません。
私は名刺の裏にUさんへのメッセージとお礼をしたためて、フロントに預けるべく向かったところ・・・。
何とカウンターの前には、再びUさんの姿が。
しかもこちらに気が付いて、手を振っているではありませんか。

すぐに駆け寄り「フロントに預けようと思っていましたが、直接お渡しできて嬉しいです」。
そう言って手渡した、びっしりと書き込みが入った名刺を、Uさんはしっかりと笑顔で受け取ってくれました。

名刺に目を落としたUさんがまず発してくれたひとこと。
それは「あっ、私のフルネーム!」でした。

上野の午後

2019.02.02

明日、日曜日の午後、人と会うために半日の日帰りで東京は上野へ行きます。
少し時間が空くので、何かやっていないかとネットで検索すると・・・。

まず見つけたのが、上野の森美術館で「フェルメール展」。
ただ、10月から始まったこの展示会。
チケットは入場時間指定制で、今なお満員電車並みの混雑とのこと。
さらには普段は有料の音声ガイドが、今回は来場者全員に無料で配られるそうで、列がまったく進まないそうです。
しかもこの日は東京での最終日、壮絶な混みようが予想されます。

現存するフェルメール作品35点のうち9点が集まる今回のフェルメール展。
HPによると今回のフェルメール作品はひとつの部屋に集められているとの事なので、他の作品には目もくれずフェルメールの部屋に直行し、音声ガイドもあえて使わずに、わずかな時間で構わないのでそれぞれの作品を脳裏に焼き付けてこようかと思ってしまいます。

それともうひとつ見つけたのが、同じく上野の東京文化会館。
何とリッカルド・ムーティ指揮のシカゴ交響楽団が来日しているのです。

しかも明日は、前日までのベルディ「レクイエム」ではなく、この日だけのプログラム、リムスキー・コルサコフ「シェヘラザード」とチャイコフスキー「交響曲第5番」。

前々回のブログに書いた通り、特に「シェヘラザード」は今まさにカーオーディオで連日聴いているお気に入りの1曲。

しかし・・・ムーティのチケットがさすがにコンサート直前に取れるとは思わず、それでも探してみましたが、案の定完売。
平日のベルディ「レクイエム」がたった数枚とはいえ残っている事が、むしろ不思議でさえありました。

普段からちょっとの時間でも無駄にしたくない、時間貧乏の私のあがきでした。

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