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秩父の龍勢祭

2016.10.13

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今年も参加して参りました。
毎年10月第2日曜日に開催される埼玉県秩父市(旧吉田町)の「龍勢祭」。

この地の男衆はこの「龍勢祭」を中心に1年が回っていきます。
そしてこの日のたった一瞬のために全力を注ぎ込むその男意気に惚れ込むのです。

詳細は以下の過去ブログで。

http://www.wadaryu.com/blog/archives/245.html
http://www.wadaryu.com/blog/archives/189.html
http://www.wadaryu.com/blog/archives/138.html

「聖の青春」

2016.09.26

「聖の青春」が映画化されます。
今年一番の期待作のひとつです。

プロ棋士、村山聖(さとし)。

小さい頃から大病を患いながらプロ棋士となり、めきめきと頭角を現しながらも、悲願の名人を目前として29歳で急逝した彼の短い一生を描いた、大崎善生によるノンフィクションです。

かくいう私も彼の活躍をリアルタイムで追い続けた大ファンのひとりです。

命をかけて将棋を指し続ける数々のエピソード、師匠森信雄との常人を越えた師弟愛、常に彼を付きまとう生と死の葛藤・・・村山聖という人間の魅力を描き切った大傑作です。

映画化にあたって、主演の松山ケンイチは、村山聖を演じ切るために体重を数十キロ増やしたそうです。

団鬼六「真剣師 小池重明」と並んで将棋ノンフィクションに燦然と輝く名作がどう映像化されたのか、公開が待ち遠しくて仕方ありません。

「獣たちの熱い眠り」

2016.09.04

深夜、寝酒のお供に何か読もうと書架を覗き込んだら、懐かしい1冊を発見。
何度も読んでいるはずなのに、読み出したら止まらなくなってしまいました。

勝目梓「獣たちの熱い眠り」。

彼の作品のテーマは一貫してセックス&バイオレンス。
この作品も、人気プロテニスプレーヤーが一夜のアバンチュールを盗撮され、プロの恐喝組織に脅され地位も剥奪される中、自らの手で復讐を遂行していくという物語です。

でもそこは中上健次の才能に惚れ込み、芥川賞・直木賞候補にも名を連ねた勝目梓のこと。
そんじょそこらの娯楽小説とは一線を画しています。
展開の速さ、文章のキレ。
息わもつかせぬ展開で、爽快なカタルシスを得られること請け合いです。

ちなみに勝目梓はこの「セックス&バイオレンス」をテーマに数え切れないほどたくさんの作品を発表していますが、私は初期のこれが一番好き。

村上透監督、三浦友和主演で映画化もされています。
公開された高校生当時、このダーティな主人公に清廉なイメージの三浦友和は合わないな、なんて思っていましたが、今の三浦友和だったらピッタリでしょうね。
それほど北野武監督「アウトレイジ」シリーズの三浦友和はカッコよくてシビれました。

あっ、もう午前3時過ぎだ。
眠れない(笑)。

「朗読会」の愉悦

2016.08.26

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写真上:会場の「千駄木ケーブルヴィル写真館&カフェ」
写真下:和装鮮やかな、やまおきあやさん


「朗読」という未知の世界に、ひとりの女性の存在で引き込まれました。

やまおきあや。
女優さんです。

彼女と初めて出会ったのは数年前。
松本市で開催された官能小説の朗読会「悦宴」でした。

友人の女流官能小説家、深志美由紀(みゆき・みゆき)のデビュー作「花鳥籠」(第1回団鬼六賞優秀賞)の朗読会が開かれるとの事で、彼女直々のお誘いで足を運んだ会場で、朗読を担当していたのがやまおきあやさんでした。

舞台が始まると、椅子ひとつだけ置かれたステージで、「声で演じる」彼女の壮絶なパフォーマンスに終始釘付けになり、ただただ圧倒され続けました。

幸いだったのは彼女が無類の日本酒好きだったこと。
この場限りの出会いと思っていたやまおきあやさんと、その後SNSで日本酒の話題を交わすようになりました。

そしてこのたび、私の出張と彼女の朗読会が偶然にも重なったチャンスを逃がさず、会場となった東京千駄木の小さな写真館で久々の再開を果たしました。

この日のタイトルは「やまおきあやのコワイオハナシ」。
打って変わって、今回は真夏にふさわしい書き下ろしの怪談です。

情景と登場人物を声だけで描き切る素晴らしさ。
相変わらず絶品です。
瞬く間の1時間が過ぎていきました。

舞台のあとはしばし歓談。
やまおきあやという女優と、そして「朗読」という世界を知ることが出来た嬉しさを改めて噛み締めた素敵なひとときでした。

「地球に落ちて来た男」

2016.07.09

ふと考えてみれば、今年はまだ一度も映画館に行っていません。
自分自身驚きです。
TOHOシネマズで貯まった、1回無料のポイントが泣いています。

そんな中、定期購読している「キネマ旬報」を読んでいると、驚愕の作品がリバイバル上映されます。

ニコラス・ローグ監督、デヴィッド・ボウイ主演。
「地球に落ちて来た男」。

これ、学生時代に東京の大塚名画座で初めて観たのですが、当時は特にボウイのファンというわけでもなく、ただ何となく映画が観たくて映画館に入っただけだった分、それはそれはものすごい衝撃を受けました。
ラストのボウイのアップとセリフが今も脳裏にこびり付いています。
ブルーレイも持っていますが、ぜひもう一度スクリーンで観てみたい!

大好きといえば、今年は「地獄の黙示録」もリバイバルされました。
しかも、後に未公開シーンが加えられた「特別完全版」ではなくて、最初に公開された短いバージョンで。
しかもしかも、ラストシーンが2パターンあるうちの、クレジットが一切流れない70ミリバージョンで。
私はこれが一番好き。

この70ミリバージョンは、日本全国で有楽座はじめ数館だけで上映されました。
全席指定で、安いほうのA席2000円でも、当時高校生だった私にとっては痛い出費だったのを覚えています。

当時「スクリーン・イングリッシュ」という月刊誌があって、話題の映画のシナリオが原語で掲載されていました。
別途申し込めば、その号で取り上げられたシーンのサントラをカセットテープで送ってくれるという、夢のような雑誌でした。

その時申し込んだ「地獄の黙示録」のテープは今も宝物です。
有名な「ワルキューレの騎行」のシーンのあとの、映画史に残る「I love the smell of the naparm in the morning!(朝のナパームの匂いは最高だ!)」のセリフ。
そしてカーツ大佐とウィラード大尉との、あまりに難解と言われたクライマックスでの会話。
英語のシナリオを見ながら聴くと今も打ち震えます。

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