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炎のコバケン

2019.07.15

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写真は上田駅前のポスター


小林研一郎が上田市民会館「サントミューゼ」でコンサートを開くという事で、大ファンである私と妻はふたりで駆け付けました。

小林研一郎指揮
群馬交響楽団

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー 交響曲第4番

東京在住だった妻が、大学時代から結婚して上田に嫁ぐまで、小林先生が指導する合唱団に所属しており、その際は東京のみならずハンガリーのブダペストやウィーンでの演奏旅行にも帯同させて頂きました。

当時から「炎のコバケン」の愛称に相応しい、小林先生のダイナミックかつパワフルな指揮に私もすぐに魅了され、妻が出演するコンサートだけでなく、小林先生が出演する演奏会には何度も足を運んだものでした。

そしてこの日のチャイコフスキー。
圧巻でした!

特に交響曲4番。

これこそがライブの神髄と言わんばかりの、壮大なスケールに包まれ続けた、感動の50分でした。
正直、普段CDで聴いている名盤と言われる4番が完全に吹き飛ぶほどの見事な演奏で、クライマックスの4楽章では涙すら溢れてきました。

そして小林先生の、時には全身を振り乱し、時には演奏に陶然として身体を委ねる、その全身全霊を込めたタクトは健在でした。

鳴り止まぬカーテンコールに、小林先生が肉声で客席へ語り掛け、アンコールとして、管楽器・弦楽器・打楽器のすべてがフォルテシモで鳴り響く感動のフィナーレの1分半を再度演奏したのも、これまた小林先生ならではと、身体に電流が走るような感動に包まれたのでした。

演奏終了後、係の方にお許しを得て、バックヤードで久々の小林先生との対面を果たした妻が渡したのは、「炎のコバケン」をイメージした真っ赤な花束でした。

フレッシュ・ジュース

2019.06.29

毎朝必ず、起きてすぐにトマトジュースをコップに1杯飲み干します。
銘柄は、長野県では有名なスーパー「ツルヤ」オリジナルの天然果汁トマトジュースです。

大事なのはこの「天然果汁」の部分です。

「天然果汁」信仰がある私は「濃縮果汁還元」のジュースはまず飲みません。
しかし、殊トマトジュースとなると、この「天然果汁」がどんどん姿を消しています。

以前は二大トマトジュースメーカーの片方が出している「天然果汁」はちらほら見かけたのですが、両方置く手間暇の煩雑さもあるのか、最近はすっかり見かけなくなりました。

東京で定宿のホテルは、私の嗜好をチェックしていてくれて、ウエルカムドリンクで必ずトマトジュースを出してくれるのですが、これが「天然果汁」で感激なのです。
喉が渇いてチェックインした時は、最初から2杯分頼んでしまう事もあります。

トマトジュースに限らず「フレッシュ」の言葉には弱い私です。
近くのコメダ珈琲に行った時も、コーヒーを飲もうと思っていたにも関わらず、つい「フレッシュバナナジュース」を頼んでいる自分がいます。
でもこの「バナナジュース」、赤ちゃんの哺乳瓶みたいな容器に入っていて結構恥ずかしいんです。
とっても美味しいのですが。

あと、フレッシュジュースの全国チェーン「karin 果琳」で一度トマトジュースを頼んだところ、トマトのあまりの少なさにびっくりしてしまいました。
でもそれだけトマトの原価が高いという事ですかね。

映画が観たい。

2019.06.14

今年になって映画館で映画をほとんど観ていません。
観たくても時間がないのと、観たい作品がない。

今年に入って観たのは、リバイバル上映で名高い長野松竹相生座で、ウイリアム・フリードキン版「恐怖の報酬 オリジナル完全版」と、同じ劇場で1週間後に、アンリ・クルーゾー版「恐怖の報酬」の2本。
どちらも大傑作でした。

特に1977年に上映された当時、フリードキン監督に無断で30分カットされたバージョンを観ていた私にとって、今回フリードキンが執念で完成・上映に漕ぎつけた「オリジナル完全版」は、私の歴代ベスト20の1本に入る圧巻の作品でした。

しかしこの2本の傑作を立て続けに上映した劇場が他にあったでしょうか。
少なくとも東京ではありませんでした。
長野松竹相生座の面目躍如です。

そして先月から今月に掛けても、この劇場では「ディアハンター」「山猫」「ラストタンゴインパリ」といった名だたる名画が上映されています。

観たい!
でも時間がない!
地団駄踏んでいる自分がいます。

それに反して、地元のTOHOシネマズ上田では、ここのところこれといって観たい作品がないな~。
次は夏の「ワイルドスピード」の最新作かな。

ところで、今回が最後となる「午前10時の映画祭」シリーズ。
いつ見ても、目も眩むような素晴らしいラインナップに陶然とする毎回です。

母校へ

2019.05.06

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写真上:明治学院大学チャペル
写真下:明治学院大学記念館(小チャペル)


ゴールデンウィーク中に上京の際、ふと思い立ち、母校の明治学院大学へ立ち寄りました。

校門の受付で卒業生である事を名乗ると快く通してくれた学内は、連休中という事もあり、人の気配が全くない静寂と広々とした空間があたたかく出迎えてくれました。

卒業してから約30年。
キャンパスがすっかり改装された中で、唯一残るチャペルと記念館(ともに港区有形文化財に指定)は、ひときわ思い出深い建物です。

告白すると、私は(妻も)グリークラブ出身です(「グリークラブ」とはいっても半分は女性でした)。

当時100名ほど部員が在籍していたグリークラブは完全な体育会系で(笑)、30年経った今でも完全なタテ社会。
でもそれが、年月を感じさせない素晴らしい人間関係を変わることなく構築してくれています。

ミッション系大学のグリークラブなので、このチャペルでは数え切れないほどのバロック音楽や賛美歌を歌いました。

そして毎年、入学式・卒業式では、チャペル備え付けのパイプオルガン(これがまた素晴らしい!)の伴奏で、ヘンデルの「ハレルヤ・コーラス」で、門出を迎える皆さんを讃えました。

日々の練習場所も、半分はこのチャペルでした。

毎冬恒例の、フルオーケストラで演奏するJ.S.バッハ「クリスマス・オラトリオ」全曲演奏会(約3時間)に向けての厳しい練習の日々は、今でも昨日のことのように懐かしく思い出されます。

誰もいなキャンパスをひとり散策していると、そんな当時の思い出のあれこれが次々に脳裏に浮かんできて、青空のもと、ノスタルジーに浸って、思わず微動だにせずキャンパスの全景を眺め続けている自分がそこにいました。

なお、明治学院の校歌は、第1回卒業生である島崎藤村の作詞です。
とにかく長いです。
これを通しで正確に歌える卒業生はそう多くはないんじゃないのかな?
あっ、ちなみに明治学院出身で、数年前に名誉学士を与えられたアルフィーの3人は歌えます。
だって、コンサートツアーのアンコールが明治学院の校歌だったんですよ(YouTubeで観られます)。
でもほとんどの観客は、何の曲だか分からなかったはずです。

「蔵の中」

2019.04.06

書店に行った際に、大好きな横溝正史がフェアで並んでいるのを見つけて釘付け。
まだ入手していない作品がないか眺めていて、ハッと目に付いたのが「蔵の中」、すぐに棚から抜き取りました。

「蔵の中」。
これは金田一耕助シリーズとは全く別の、独立した耽美的小説です。

この作品に初めて触れたのは私が高校生の時。
角川で映画化され、金田一耕助シリーズの「悪霊島」と同時上映されたのが最初でした。

「悪霊島」で流れるビートルズの「LET IT BE」が、なぜか横溝作品のラストシーンを飾るのに見事にマッチしていたという衝撃を凌ぐ衝撃が、この「蔵の中」にはありました。
(ちなみに現在は版権の関係で「悪霊島」のDVDからは「LET IT BE」はカットされているそうです)。

隔離された蔵の中での、病に伏せる姉と、姉に思いを寄せる弟とのただならぬ関係。
そしてふたりが蔵から双眼鏡で覗き見る異端の世界。
陰影を含んだ官能的な映像とともに心に飛び込んできたシーンの数々は今も忘れません。

余談ですが、主演を演じた無名の美人女優、松原留美子が実はニューハーフだった事も大いに話題になりました。

いずれにしても、2本立てのメイン作品をサブ作品が食ってしまったという稀なパターンを、この時私は体験したのでした。

さて、その「蔵の中」ですが、実は小説は未読のままです。
今回即買いしたので、早速時間がある時に熟読しようと思っています。

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