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サービスの落差

2012.09.02

長年愛用していた携帯電話がついにダメになり、機種変更をしようと某携帯電話の営業店へ出向いた時のことです。

休日ということもあり店内は大混雑する中、スタッフの皆さんはそれはそれは懇切丁寧に、私のあまりにも初歩的な質問にも嫌な顔ひとつせず答えてくれ、その心地よい対応はデスクに移ってからも変わることなく、私は接客の素晴らしさに満足したままお店をあとにしました。

さて、その日はその営業店のすぐ隣の道路で、町内の夏祭りが開催されていました。
駐車場からもその様子がよく見えます。

私は、普段はいない、この日に限って立っていた駐車場整理の男性社員に「今、機種変更を終えてきたのですが、ちょっとだけ隣のお祭りを見てきたいので、車をもう少し置かせて頂けますか?」と頼みました。
「もちろんどうぞ」という言葉が当然返ってくると思っていた私に彼が発した言葉は「今日は混雑していますので、すみませんが終わったのでしたら車を移動して下さい」という冷たい物言いの心無いひとことでした。

ちなみに私が彼の立場だったらこう言います。
「もろちん大丈夫です。ただし今日はお店が混雑していますので、大変申し訳ありませんが少し早めに帰ってきて頂ければありがたいです」

しかし、不満の思いをあらわにする私に対して、駐車場整理の彼は次のように追い討ちを掛けます。
「駐車スペースが満杯なもので」
「いや、でもまだ何台も空いてるじゃない?」
ここまでで来ると私も意地です。
「それじゃ、どこか近所で停められるところを教えて」
もはや敬語さえ使う気になれない私に彼が最後に放った言葉がこれです。
「私は関知していません」
私だったらお客様にためにどこかないか考えるよ。
もはや言い争う気も失せて、私はお店をあとにしました。

それにしても彼の傲慢不遜な態度が、店内のスタッフのサービスをすべて台無しにしている事に、彼や会社は気が付かないのでしょうか。
そう考えてみると、この日駐車場係が出ていたのは、お店に訪問するお客様の車を整理するためではなく、お祭りに来た方の無断駐車を取り締まるためだったのでしょうね。

店内の対応が素晴らしかっただけに、その落差に心底がっかりした、サービスの在り方を考えさせられる一場面でした。

パーク・アンド・ライド

2012.08.25

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先日、西軽井沢のお得意先から注文を頂きました。
できるだけ早くというご要望でしたので、翌朝、休日を返上してシーズン真っ只中の軽井沢へ出発、無事納品を完了しました。

時間はまだ10時過ぎ。
このまま帰るのはもったいないと、旧軽井沢に立ち寄ろうと急遽思い立ちました。
ただしこのオンシーズンに自家用車で旧軽井沢に入るのは自殺行為、駐車場の確保どころか街への車の出入りさえままならないこと必至です。

そこでいつも利用するのが、しなの鉄道を使ってのパーク・アンド・ライド。
少し手前の駅で車を預けて、あとは電車で軽井沢駅へ向かうという方法です。

私が向かった最寄り駅は、軽井沢駅より2駅手前の信濃追分駅。
駅前にお店1軒ない小さな無人駅です。
そして車を預けた駅前駐車場はパーク・アンド・ライドを推奨しているだけあって、12時間までは100円という激安価格に感激です。

駅舎に入ると、オフシーズンには人っ子ひとりいない小さな駅が今日は観光客で溢れています。
ちなみにこの駅は、駅員がいないどころか切符の券売機も設置されていないので、乗客はバスに付いているような小さな発券機から整理券を抜き取り、車内か降車駅で清算することになります。
これもまたローカル駅の醍醐味です。

やがて到着した電車もこの日は超満員でラッシュ並み、この区間で座れなかった事は久しぶりです。
そうこうしているうちに電車は軽井沢駅のホームに滑り込み、乗客は真夏の陽射しが降り注ぐ軽井沢の街に三々五々散っていきました。

かくいう私が寄った場所はというと、

・SIN(「JAP工房」軽井沢店・店長としばし歓談)
・茜屋珈琲店旧軽井沢店(お気に入りのコーヒー2杯)
・ブーランジェリー浅野屋(お土産にパンを山ほど)
・鳥勝(お土産に名物「鳥の丸焼き」1羽)

以上、充実した時間を過ごして参りましたとさ。

酒は人なり

2012.08.20

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今私が自宅で飲んでいるお酒の1本です。
長野県は小布施町にある高沢酒造「豊賀」。
私が尊敬する若き蔵元、高沢さんご夫妻が醸す渾身のお酒です。

香り、旨み、キレ、すべてのバランスが見事で、芳醇かつ飲み飽きしない、見事な味わいです。
高沢さんご夫妻と接していると、まさにこのおふたりの「和」が生み出した逸品である事をその都度実感します。

以前、関東の日本酒専門居酒屋で一杯のお酒をブラインドで出され、その香りと味わいの深みに感銘を受け正体を聞いたところ、それが高沢さんのお酒だった事もあります。

酒は造り手を体現する、そんな素晴らしい1本です。

ハヤカワミステリの愉悦

2012.08.13

私の住む上田市には大型書店がないので、しばしば長野市まで本の買い出しに行きます。
昨日も大きなバッグを持って長野駅前の書店に足を運んだところ、思わぬ掘り出し物が・・・。
これまでずっと探していたスティーブ・ハミルトンの「解錠師」をはじめとして、歴代のハヤカワミステリの名作がズラリと並んでいるではありませんか。
早速、持っていない本を片っ端から抱えて、一気に大人買いしてしまいました。
財布は軽くなったけれど心まで軽くなった嬉しいひとときを噛み締めたくて、同じ書店の中にある喫茶店に入り、戦利品を眺めながらひとりほくそ笑んだ私でした。

小説といえば、このブログにたびたび登場する私の友人で女流官能小説家の深志美由紀(みゆき・みゆき)。
いよいよ活躍の場を広げ、7月1日から日刊スポーツで連載を開始しました。
タイトルはズバリ「深夜に濡らして」。
とやまみーなさんのイラストと併せて、女性の視点から官能を描く深志美由紀ワールドが炸裂しています。
皆様、男女を問わずぜひご一読を。

ところで先日の夜、妻と一緒に「おおかみこどもの雨と雪」を観てきました(上田にできたTOHOシネマズは遅くまで上映しているので本当に助かります)。
細田守監督の傑作「サマーウォーズ」は上田市が舞台で、上映から2年経った今も上田市は「サマーウォーズ」熱が冷めやらずにいるのですが、そんな細田監督の新作、正直言いますと題材が題材なだけにあまり期待していなかったのですが、いやはや、予想以上の出来栄えに大感動、思わず涙してしまいました。
妻も泣いたとの事ですが、面白いのは私と妻の涙した場面が違うこと。
まだ観ていない方のために詳しくは申し上げませんが、私は主人公の雪が同級生の草平とふたりっきりの教室で告白する場面で涙したのに対し、妻はもうひとりの主人公の雨が山の頂で遠吠えするシーンで泣いてしまったとの事。
いずれにしても、親と子の葛藤や成長を見事に謳い上げた傑作でありました。

アニメ映画といえば、「グスコーブドリの伝記」もぜひ観てみたい一作です。
同じ杉井ギサブロー監督の「銀河鉄道の夜」が私は大好きでして、あの映画の猫の擬人化(加えて見事としか言いようのない細野晴臣の音楽)が表現する独特の杉井ワールドに何度も酔いしれたものですが、今回「銀河鉄道の夜」で観たあの猫たちが同じ宮沢賢治原作の本作のポスターや宣伝で描かれているのを見て、居ても立ってもいられない思いに駆られております。

幻のタオル

2012.08.01

もうすぐお盆ですね。
それにちなんだ話題をひとつ。

しばらく前のことですが、娘にせがまれてX-JAPANのhideのお墓参りに行きました。
場所は神奈川県横須賀市の三浦霊園。

ちなみに私は以前にもひとりでhideのお墓参りに行ったことがあり、あの時は霊園に辿り着くまでも大変でしたが、それ以上に広大な霊園の中でhideのお墓を探し出すのに一苦労、疲れ果ててベンチに座りうしろを見たらそこが何と目指すhideのお墓で、思わず脱力した事が思い出されます(ちなみに係員に聞けばすぐに教えてくれるそうです、はい)。

さて、この日も娘と一緒に品川から京浜急行で揺られること1時間半で三浦海岸駅に到着。
駅前で花を買って、前回ひとりの時はバスでしたが今回はタクシーに揺られて、三浦海岸の絶景を見ながら目指す三浦霊園に着きました。

我々がhideのお墓に着くと、ひとりで来ていたファンの女性がちょうど帰るところで、いつもは多くのファンでいっぱいであろうお墓も、この時は我々ふたりだけ。
亡くなってから10年以上経つというのに、hideのお墓はファンからの献花であふれ、今もどれだけ彼が愛されているのかを目の当たりにして、改めて胸がきつく締めつけられる思いでした。
上田から持ってきた和田龍のカップ酒と駅前で買ったお花を供え、hideの墓前に手を合わせ、あとはしばらくの間、娘とふたりで何をするともなくhideのお墓をぼんやりと眺めていました。

そしてお墓をあとにしようとした時のこと。
ちょうどhideのお墓の掃除に来られた中年の女性とすれ違いました。
その方は立ち止まって我々を振り返り、笑顔で「どうもありがとう」と言葉を掛けて下さいます。
我々も頭を下げながら「こちらこそ、ありがとうございました」と言葉を返すと、「これを使ってね」とビニール袋を2つ、我々に差し出しました。
それはワインレッド色のhideのタオルでした。

翌日、娘が驚愕しながら教えてくれた事実。
そのタオルはhideのお母さんだけが持っている品物とのことでした。

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