上田に移住されている映画監督、神山征二郎監督から、ご自身がメガホンを取られた「ひめゆりの塔」(1995年度版)のDVDをお借りし、深夜に観始めたところ止まらなくなってしまい、挙句の果てに2日間連続で2回観てしまいました(寝不足です)。
圧巻でした。
中でも私が唸ったポイントは3点。
1点目。
集団劇でありながら、生と死の極限に立った登場人物がひとりひとりしっかりと描かれている事。
主人公の沢口靖子は、これまで観たどの映画やドラマよりもきれいで素晴らしい演技だと個人的には思いました。
そして後藤久美子も、大勢の女生徒のひとりとして演じる中で、決して突出することなく、しかし確実に輝いている、そんな見事な存在感を示していました。
2点目。
この映画を決して悲劇のみにしていないこと。
「ひめゆりの塔」といえば沖縄の戦場で命を落としていった女学生たちの実話ですが、この映画ではその悲しい部分だけにスポットを当てず、生き残った生徒や先生を熱く描くことで、より一層、生と死の重みを観る者に伝えています。
3点目。
これだけ重厚な物語を2時間1分という上映時間にしっかりと収めていること。
最近は3時間越えの映画も当たり前になってきましたが、監督が撮り溜めたフイルムを心を鬼にしてあえてバッサリと切って、観客が身を委ねられる長さにすることも、これまた大切なテクニックだと思うのです。
ちなみに神山監督とは、上田市街のお互いが行きつけの居酒屋で出会い、以降、隣に座ると若輩者の私の映画談議にお付き合い頂く仲です。
隣にいるのが「ハチ公物語」ではその年の邦画興行収入1位を記録し、昨年もメジャーで中山晋平を描いた「シンペイ」を撮った、生粋の映画監督だと思うと、どれだけ酔っても緊張が解けない毎回です。
でもそれ以上に、私の拙い話題や質問に真剣に耳を傾けて下さる監督とお話しできる幸せをいつも感じています。
今日もあのお店のあの席に監督は座られて、飲まれているのでしょうか。