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誉田哲也快進撃

2016.05.28

作家、誉田哲也が飛ばしています。

片や映画「ストロベリーナイト」で有名になった姫川玲子シリーズ。
片や歌舞伎町を舞台に、その壮大なスケールで圧倒された「ジウ」シリーズ。

この2つのシリーズがコラボし、それぞれの視点から同じ2つの事件を追った「ガラスの太陽N-ノワール」「ガラスの太陽R-ルージュ」がこのたび同時発売され、今回も一気読みの面白さでした。

しかし数ある誉田哲也の作品で、私のイチ押しは「武士道」シリーズです。

「武士道シックスティーン」「武士道ナインテイーン」「武士道エイティーン」「武士道ジェネレーション」の4作品からなるこのシリーズ。

剣道部に所属する2人の女子高生を主人公に、時にはライバルとして、時には親友として成長していく過程を描いた、甘酸っぱい青春ものです。

誉田哲也の名前に魅かれ、何とはなしに読み始めたこの作品。
ところがこれまでのハードな作風とは一線を画したこの青春小説に、私はいっぺんに虜になってしまったのです。
あげくの果てはラストシーンで、感動のあまり喫茶店の片隅で涙を拭く始末。

そして今から5年ほど前、「武士道シックスティーン」が映画化されると聞くややいなや、当時単館ロードショーのテアトル新宿に飛び込んで、これまた暗闇で涙をこぼした私でした。
当時はまだ無名だった北野きいのフレッシュな演技に魅了されたことも覚えています。

さて、そんな脂が乗り切った誉田哲也。
今度はどんな新境地を見せてくれるのでしょうか。
大沢在昌ばりの活躍を期待しています(それにしても「新宿鮫」シリーズは何度読んでも傑作です)。