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棋界の朗報

2017.06.28

プロ棋士の藤井聡太四段が、14歳でプロデビューして以来、公式戦29連勝の新記録達成という偉業を成し遂げました。
本当に価値ある記録です。

プロデビューが賞金額1位を誇る竜王戦の大舞台で、しかも対戦相手が最年長棋士で今や大ブレーク中の加藤一二三九段だったという「運」も、彼の才能の一部なのではと感じてしまいます。

ちなみに私が敬愛するプロ棋士は?と問われたら、加藤一二三九段、谷川浩司九段を真っ先に挙げます。
対照的なおふたりですけど。

ところで、これだけ将棋界がいい意味で世間を騒がせたのは、今から12年前、瀬川晶司アマが特例としてプロ編入試験を受けた時以来かと思います。

あの時は、一度は奨励会員としてプロ棋士の道を断念した瀬川五段(現在)がアマチュアとしてプロ棋士に勝ちまくり、プロ編入の嘆願書が受理されて、編入試験が実施されたというものでした。

プロと6局対戦して3局勝てば合格、というこの試験のプロ側の対戦相手は、実に変化に富む顔ぶれでした。

1局目(肩書きは当時)。
プロ棋士の卵、奨励会三段で、現在は将棋界の頂点に君臨する佐藤天彦名人(瀬川●)。
奨励会員としてアマには負けられないという佐藤の意地が盤面にほとばしり出た1局でした。

2曲目。
将棋界きってのバラエティ芸人、神吉宏充六段(瀬川〇)。
サービス精神旺盛な神吉は対局中にいきなり大盤解説場に顔を出し、観客に現局面を説明するという大技をやってのけました。

3局目。
久保利明八段(瀬川●)。
しばらく前のテレビ対局で、八段がアマチュアに敗れるという大盤狂わせとなったふたりの対局が再度組まれ、これまた大きな話題となりました。
久保の意地が瀬川の技術を上回った1局でした。
ちなみに久保は現在「王将」のタイトル保持者です。

4局目。
中井広恵女流六段(瀬川〇)。
八段とのあと、まさか女流との対局を持ってこようとは・・・。
女流棋士のトップを相手に、瀬川の見事な差し回しが光った対局だったと記憶しています。

5局目。
高野秀行五段。
中原誠永世名人の代理として出場した弟子の高野五段を破り、この瞬間、瀬川はプロ棋士の仲間入りを果たしました。
高野投了の瞬間は、藤井聡太四段29連勝の時と同じくらいのフラッシュが焚かれ、各メディアが殺到した光景を今でも覚えています。

という訳で話は戻って藤井四段。
次の対局は竜王戦決勝トーナメントの2戦目。
この1局の対局料はさすがの竜王戦で、勝てば52万円。
このままどんどん勝ち進み、仮に渡辺明竜王を破ってタイトルを取った時の賞金は4,320万円。
まだまだ難敵ぞろいですが、地位と名誉とを賭けた戦いに期待は膨らみます。

束の間の軽井沢

2017.06.12

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やるべき事をひと通り済ませた休日の午後3時過ぎ。

夜まで少し時間があるし、どうしようかしばし思案して、大好きな喫茶店でひとときを過ごそうとふと思い立ち、車で1時間の軽井沢まで車を飛ばしました。

コーヒーを飲むために軽井沢まで行くのが心の贅沢と自分に言い聞かせます。

向ったのは旧軽井沢通りの一番奥にある「茜屋珈琲店」。
このブログにもたびたび出てくるお気に入りの1軒です。

中に入ると、長い1枚カウンターの中で、オーナーの大谷さんが笑顔で出迎えてくれます。

いつものように、美味しいコーヒーと素敵な器と楽しい会話とそして落ち着いたお店の空気が、心を癒してくれます。

コーヒーを2杯飲んでお店を出た頃には、もう既に日は傾いていました。

妻に何かお土産をと思い、いつもは「浅野屋」かジョン・レノン御用達の「フランスベーカリー」でパンを買って帰るのですが、この日は私が腹ペコだった事もあって、旧軽井沢通り入口の「鳥勝」で「鳥の丸焼き」(2,100円)を購入。
小さくて古い見逃しそうなお店ですが、これまた旧軽井沢の名物です。

すぐそばにある大好きな蕎麦屋「川上庵」を横目に見ながら、よし、今晩は鳥を肴にしこたま飲もうと、信濃路の帰途を急いだ夕暮れ時でした。

「IQ-179」

2017.06.03

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レコードは持っているもののプレーヤーが無くて聴けずにいる、そんなアルバムを、CDで改めて2枚買ってしまいました。

坂本龍一「B-UNIT」(1980年発売)
清水靖晃「IQ-179」(1981年発売)

きっかけは長野市の地酒専門酒場「べじた坊」でのひととき。
日本酒担当の石垣さんとお互いに大好きなサックス奏者、清水靖晃の話題で盛り上がった事が私の導火線に火を付けました。

当時、坂本龍一はYMOの活動の傍ら、ソロ活動ではその対極とも言える実験的な音作りをしていて、その代表作がこの「B2-UNIT」でした。
このアルバムはポップスとは明らかに一線を画し、「売れる」という事から背を向けていると思われても仕方がない、しかし彼の熱狂的なファンをますます虜にさせる麻薬のような1枚でした。

で、やはりその頃、坂本が手掛けたのが、当時から親交があった清水靖晃のアルバム「IQ-179」の「DOLL PLAYⅠ・Ⅱ」の2曲でした。

この2曲、NHK-FMの「坂本龍一 サウンド・ストリート」で初めて聴いた時は背筋に電流が走りましたね。
「B2-UNIT」に共通する、極めて前衛的な音作りをした上に、何と坂本自身がドラムまで叩いちゃっているのですから驚きました。
(ちなみにその事が、のちにYMOの「ウインターライブ」で、名曲「CUE」で坂本がドラムを叩く事に繋がります。)

という訳で、何十年かぶりに聴くこの2枚のオリジナル・アルバム。
あの頃の熱狂が蘇ってくるようです。

「べじた坊」の石垣さんお勧めの清水靖晃「北京の秋」、品切中でしたがすぐに予約。
こちらももうすぐ届きます。

今さら「1Q84」

2017.05.21

村上春樹の新刊「騎士団長殺し」が刊行され、発売日には徹夜組まで出て社会的ブームになっている中、私もすぐに購入しました。

で、読み始めようと思ったところ、迂闊にも前々作「1Q84」を未読だった事に気が付き、「騎士団長殺し」で湧く世間に背を向けて、今ごろになって「1Q84」を読んでいます。
こんな奴いないだろうなあ、とか思いながら。

「1Q84」は単行本にして3冊、文庫本で6冊にわたる大長編ですが、そこは村上春樹。
ページをめくり始めたら止まらない面白さで一気読みで、あと6分の1を残すところまで来ました。

このあと時間を見つけてクライマックスまで一気読みしようと思っていますが、わくわくする思いと共に読み終わってしまう一抹の寂しさがある事も否定できません。

それにしても相変わらず村上春樹って素敵です。
彼の文章や物語の構成の魅力って、デビュー作の「風の歌を聴け」から一貫して変わらない・・・どころか、年齢を重ねるごとにどんどんパワーアップしていますよね。
前作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」も、読み終えた瞬間は村上ワールドの魅力と感動から抜け出せなくて、しばらく身動きできないほどでした。

ちなみに「1Q84」、たぶん多くの読者がそうしたように、私も堪らなくなって、作中に何度も出てくるヤナーチェクの「シンフォニエッタ」のCDを買ってしまいました。
毎日、車のカーオーディオで聴いています。
どうしてこういう曲を選べるのかなあ。

村上春樹はエッセイや紀行文も大好きですが、私が高校の時に何気なく買った村上龍との対談集「ウォーク・ドントラン」に随分と触発されたことを覚えています。

さあて、残り読むぞ。

車窓から。

2017.04.15

作家の伊集院静が書いていたエッセイで、東海道新幹線に乗っている間の3分の2は窓外の景気を見ている、という一文がありました。

それを読んで、そういえば最近は「景色を見る」という行為を忘れていた自分に気が付きました。

先日、上田から東京まで北陸新幹線に乗った時に、いつもならすぐにページを開く雑誌や単行本を封印して、しばし窓外に目をやり続けました。
高崎まではトンネルが多いんですけどね(笑)。

でも素敵なんです。

上田から軽井沢まではまさに信州ならではの引き締まった自然の風景。
それが碓氷峠を抜けて群馬に入ると、木々や山林にも暖かさが増して、平野が近いことが感じられます。
高崎からはまさに都会の中を疾走しますが、それでもところどころ田畑や山々が近付いてきて、都会の中での自然の息吹が感じられます。

飽きることのない、まさに1時間30分のドラマですね。
考えごともいろいろ出来るし。

何だか忘れかけていたものを取り戻した気がして、あたたかな気持ちに包まれ続けたひとときでした。

ただ、今回も2列うしろで若いスーツ姿の男性二人が、並んでパソコンをカタカタ打っている音には閉口しましたが。

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