記事一覧

齋藤さんが繋ぐ縁

2021.07.17

地酒界の至宝、「革命君」の齋藤哲雄さんがご逝去されて早半年が経とうとしています。

https://www.wadaryu.com/blog/archives/770.html

そんな中、昨日私が会社を不在にしている間に、素敵な来客がありました。
K辺さんファミリー3名、初めてのご来社です。

応対させて頂いた妻によると、K辺さんは「革命君」のご常連で、齋藤さんとも個人的にお付き合いが深く、今回は親交が厚かった上田市内の4蔵に齋藤さんのお墓の場所を伝える目的で、わざわざ信州までご来訪頂いたとの事でした。

私はお目に掛かれなかった無念さに後ろ髪を引かれながら、せめてもと思い、妻が聞いた番号に電話を掛けました。
電話口に出られたK辺さんに、私は、お越し頂いたお気持ちがとても嬉しかった事、お会いできなくて残念だった事、そして齋藤さんが繋げて頂いたこのご縁がどれだけありがたかったかをお伝えし、電話を切りました。

そして今朝、9時過ぎにご来社されたお三方を見て、それがすぐにK辺さんご一行だと分かりました。
昨日は上田で泊まり、私から電話も頂けたので再訪されたとの事。
そのお気持ちがどれだけ嬉しかったか。
4人でしばし齋藤さんの思い出話で花が咲きました。
このブログもしっかり読んで下さっているとの事でした。

確かにコロナ禍でなければ、齋藤さんの訃報を聞いて、すぐにでもお墓詣りに駆け付けているはずでした。
そんな思いを汲んで、わざわざ情報を届るために信州まで足を運んで頂いたK辺さんのお気持ちには、ただただ感謝の思いでいっぱいです。

そして齋藤さんが亡くなったあとも、今回も含めてどんどん広がっていく多くの方とのご縁を、齋藤さんが遺して下さった大切な財産として、これからも大切にしていきたいと思います。

K辺さん、本当にありがとうございました。

「地酒屋くんちゃんの『呑んでるか~い』」

2021.05.22

私の恩人でもある、上田市の地酒専門店「地酒屋宮島」店主、宮島国彦氏(通称くんちゃん)がラジオのパーソナリティを務めています。

FMとうみ「はれラジ」の「地酒屋くんちゃんの『呑んでるか~い』」。

4月から始まったばかりですが、めっちゃ面白いです。
ていうか、くんちゃんはマジでプロのパーソナリティ?っていうくらいクオリティの高いしゃべりに、毎回心ときめかしています。

地酒の紹介あり。
日本酒講座あり。
地酒にちなんだシャレたコーナーあり。
そして、くんちゃんが地酒と並んで愛いて止まないサザン・オールスターズのトークとBGMあり。

さすが、以前も信越放送の帯番組でレギュラーの吉本芸人を相手に、毎週地酒愛を互角に語り合っていただけあります。

ちなみに地酒屋宮島さんは、信州の地酒のみに特化した、そのこだわりに全国からお客様が集まる、オンリーワンのお店です。

そして私が冒頭にくんちゃんを「恩人」と書いたのにも訳があります。

それは、今から15年以上前。
地酒屋宮島(当時は宮島酒店)さんと念願のお取り引きに漕ぎ着ける事ができた、その翌年のこと。
くんちゃんから次のような提案が。
「澄夫さん、せっかくいいお酒が出来たのだから、我々専門店にダイレクトに届く、別銘柄のお酒を造ろうよ」

そして生まれたのが「和田龍登水」です。

これが和田龍酒造の大きな転機となり、今に至ります。
くんちゃんはまさに「和田龍登水」が生まれるきっかけを作ってくれた大恩人なのです。

さて、その「地酒屋くんちゃんの『呑んでるか~い』」。

毎週木曜日 17:40~17:55
(再放送:毎週日曜日 17:30~17:45)

「はれラジ」で検索して頂き、「アプリで聴く」→「ダウンロードはこちらから」に進んでください。
ダウンロードしなくても、プレーヤーをONにして頂ければ簡単に聴くことができます。

地酒ファンなら一聴に値する15分間。
ぜひアクセスしてみてください。

「恩人訪問」リターンズ

2021.05.14

「小さな酒蔵応援団 革命君」店主、齋藤哲雄さんの訃報がまだ心の中を引きずっています。
今も時折、齋藤さんのあの笑顔が蘇ってきます。

そんな中、2年前に「恩人訪問」と名付けたこんな記事を書いたことを思い出しました。
よろしければご一読ください。

https://www.wadaryu.com/blog/archives/662.html

ちなみに齋藤さんと最後に会ったのは昨年2020年3月24日でした。
この日の午後、上田を訪問された齋藤さんは数蔵を巡ったあと、夜は上田市内の4蔵を囲んで酒談議に花を咲かせたのでした。
千鳥足の齋藤さんを21時過ぎの新幹線に乗せるべくみんなで上田駅の改札口まで送った、あの時の齋藤さんの笑顔を忘れません。

先日も、齋藤さんと懇意にされていた都内の鮨処のご夫妻がわざわざご来訪下さいました。
お互い初対面とは思えないほど会話が盛り上がり、楽しい時間が過ぎていきました。
齋藤さんが遺して下さった「ご縁」という大きな財産は、これからもずっと生き続けています。

緊急事態宣言

2021.04.23

今から15年ほど前、私の子どもたちが通う小学校で、児童に向けた薬剤師さんの講演会がありました。

私はちょっと嫌な予感がしていたのですが、案の定、その薬剤師さんは煙草とお酒の害に触れ、児童たちにその2つの存在を否定するような話をしたそうです。

お酒が悪いのではありません。
「未成年が飲酒すること」が悪いのです。

嬉しかったのは、直後に息子が先生に「お父さんはお酒を造っているのに今日の話は悲しかった」と言ってくれ、それに対して先生も素直に謝罪してくれた事です。

今回、3回目の緊急事態宣言が発令されます。

対象の4都府県には「飲食店の酒類禁止」を求めるそうです。

酒は悪くありません。
悪いのは飲む方のモラルの問題です。

お世話になっている飲食店の皆さんの顔を思い浮かべると、悔しくて泣けてきます。

齋藤さんが遺したもの

2021.04.19

facebookで突然「お友達申請」が届いたその方は、前回書いた「小さな酒蔵応援団 革命君」代表の齋藤哲雄さんがこよなく愛した、江戸川区にある「鮨K」のご店主でした。

「鮨K」は、生前の齋藤さんから「本当に素晴らしいお店だからいつか一緒にいきましょう」と幾度となくお誘いを受けていた1軒でした。

「承認」と共にお礼のメッセージを送った私に対し、先方からもすぐにレスを頂き、しばし齋藤さんの思い出話に花が咲きました。
今となっては齋藤さんとこのお店にご一緒できなかった事が悔やまれてなりません。

数日前には、日本酒愛好家として有名な東京在住のイラストレーターSさんからも、突然の電話がありました。
カウンターに乗った「和田龍登水」の写真付きです。

今どこで飲んでいるのかお伺いすると、大田区にある和酒バーTとのこと。
実はこのお店も齋藤さんが大変懇意にされたお店です。
Sさんのあと電話を代わったオーナーと、まだ私が未訪問である事が嘘のように、齋藤さんを思い返しながらふたりで長い会話が続きました。

いつもお世話になっている東京の地酒専門酒販店Kさんから届いた発注書の片隅には「和田くん、気を落とさないでね」とひとこと書いてありました。
齋藤さんと私の繋がりを知っているKさんからの温かなお言葉をしばし見つめながら、涙がこぼれそうになりました。

旧知の富山県の蕎麦屋店主からは、いきなり「ショックです」というメッセージが届きました。
「同じくです」と返した私にまたすぐにレスがあり、文章を交わしながら齋藤さんの悲しみと思い出話に暮れました。

齋藤さんが遺して下さった数え切れない程のたくさんのご縁は、これからも大切な財産として、ずっと守り続けていく所存です。

ページ移動