お酒の味わいや香りをお客様に伝える時、様々な表現を使います。
さわやか、柔らか、キメ細かい、軽快、フレッシュ、厚みのある、とろりとした・・・等々。
あるいはフルーツをはじめとして、他の食べ物に例えることもあります。
その中で、自分としては絶対に使わないと決めている語句がひとつあります。
それは何かというと、「ワイン」という言葉です。
「ワインのような」とか「ワインを思わせる」といった表現がそうです。
理由は単純で、単に日本酒を扱う者の意地です。
ですので、酒器をお勧めする時も「ワイングラス」とは言いません。
「クリスタルグラス」とか「透明な器」とか、そこは表現が難しいのですが、でも意地で突っ張ります。
ちなみに、だからといってワインは飲まないという事は全くなくて、清酒に並んで大好きです。
記事一覧
使用禁止
お酒の定義
「お酒」とは何でしょう?
酒税法上の規定では、酒類とは「アルコール分1度以上の飲料」とされています。
ですので、例えばアルコール分が1%未満のアルコールフリービールは、法律上は「お酒」ではありません。
でも、飲んだらその分だけ、たとえわずかでもしっかりアルコールは蓄積されますので、車を運転される方は気をつけて下さい。
では「清酒」とは何でしょう?
大切なのは次の2点です。
①米・米こうじ・水を原料として発酵させること。
②漉(こ)すこと。
特に2点目の「漉す」というのは大切で、これが「どぶろく」との大きな違いです。
「清酒」は漉すことが、そして「どぶろく」は漉さないことが定義付けされています。
ちなみに「にごり酒」は、粗い目でしっかりと漉されています。
お酒の色
あけましておめでとうございます。
無理のない範囲で肩の力を抜いて始めたこの「雑記帳」ですが、思わぬ方面から「読んでるよ」コールを頂いたりして、緊張すると共に励みにもなっている今日この頃です。
これからも時間を見つけてアップしていきますので、よろしくお願い致します。
さて、今日の話題。
お酒を扱っていて、ここのところしみじみありがたいと思うのは、お酒には色がついていて当たり前という認識が広がってきたこと。
そう、お酒にはもともと色があるのです。
そして、お酒を熟成させればさせるほど、色も少しずつ増してきます。
一方で、お酒の製成過程には「活性炭ろ過」というものがあります。
これは、搾ったあと、炭素の粉末の表面に空いた大小さまざまな多数の孔(あな)に、お酒の着色物質や雑味・雑臭成分を吸着させて除去し、品質をきれいにし安定させる技術です。
ただし、ここで活性炭を使い過ぎると、お酒の良い香りや味わいまで失われてしまうどころか、お酒の個性そのものが奪われ平坦な酒質になってしまう、いわば「活性炭ろ過」は両刃のつるぎなのです。
ですので、最近はこの「活性炭ろ過」は極力抑える方向にあります。
そこには、搾った時の状態にできるだけ手を加えたくないという思いがあります。
ちなみに、最近よく見られる「無ろ過」というお酒は、この「活性炭ろ過」をしていない、という意味です。
正直言うと10年ほど前は、お酒に少しでも色があると、お客様から直接苦情が来たなんて経験もしました。
でも今は、お酒に色があるのは自然なこと、そう思って頂けるので、こちらとしても胸を張って出荷できます。
そしてそれは蔵元だけでなく、このような知識を少しずつお客様に伝えて頂いた酒販店さんのお力が大きいと感謝しています。
ラベルの話2
写真のラベル、面白いでしょ?
「飲め屋」「喰え屋」「歌え屋」「踊れ屋」。
東京吉祥寺にある「JAP工房」デザイナー、you-koさんの手によるラベルで、このPB清酒は同じく吉祥寺駅から徒歩30秒の「BAR JAP」でのみ飲むことができます。
ちなみにこの「JAP工房」、数々のロックアーティストや映画の衣装、はたまた幾多のアメリカ映画とライセンス契約を結んでシルバー製作をしている、業界では有名な会社です。
以前からプライベートでお付き合いさせて頂いていて、日本酒大好きな川上社長とyou-koさんからこのお話を頂いた時、ふたつ返事でお受け致しました。
左下に書いてある文字は「髑髏石(どくろストーン)本舗」、you-koさんが手掛けるブランドのひとつです。
リンクも張ってあるので、ぜひのぞいてみて下さい。