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日本酒の保存管理

2008.02.16

日本酒をどのように保存するのがいいのでしょうか?
これはよく言われる通り、温度変化が少ない、涼しくて日光の当たらない環境が望ましいです。
では、それは何故なのか、簡単に説明します。

日本酒の品質の変化は、清酒中のアミノ酸等の化学反応によるものですが、お酒の温度が10℃高くなるとその化学反応は2倍の速さで進むといわれています。
具体的には進行が進むと、味わいは苦味を増し、香りは「老香(ひねか)」と呼ばれる独特の匂いが感じられるようになります。
同じくお酒の温度が10℃上がると、やはりアミノ酸の化学反応で、着色も3~5倍の速さで進み、やがて茶褐色を帯びてきます。

着色に関して言えば、直射日光も大きく影響します。
これは清酒中のアミノ酸の一種や、清酒にとっての有害成分であるマンガンが紫外線と反応することが原因で、お酒が直射日光に1時間当たっただけで着色は2倍以上になります。
紫外線が関与するという意味で、日本酒の保存に際しては、日光だけでなく蛍光灯や殺菌灯もできるだけ避けたほうがベターです。
前にも書きましたが、酒屋さんで蛍光灯を使わずあえて暗くしているお店は、それだけ品質に気を掛けているひとつの目安にもなります。