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酒ようかん

2010.05.29

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弊社のある信州上田市は、真田氏が築城した上田城を中心に広がる城下町です。
そして昨今の歴史ブーム・お城ブームの盛り上がりや、上田市が舞台の映画「サマーウォーズ」の公開に伴って、上田市を訪れる観光客や「歴女」の皆様の数もうなぎ上りに多くなっております。

そんな中、弊社の本醸造酒「真田太平記」を使用した「酒ようかん 真田太平記」がこのたび発売されました。

ただし、製造したのは弊社ではありません。
販売元は、やはり上田市に本社を置く関製菓株式会社さんです。
そしてこの「酒ようかん」が生まれるまでにはひとつの物語がありました。

今からさかのぼる事40年以上前、私が物心ついた時に、私の会社にすでにその番頭さんはいました。
その番頭さんKさんは何かに付け、年端も行かぬ私をいつもとても可愛がってくれました。

そしてKさんには3人のお子さんがいて、特に私より一歳下の長男N君とはいつも一緒に遊ぶ仲でした。
蔵の中で遊んだり、あるいはKさんにふたり一緒にどこかへ連れていってもらったり、今でも楽しい思い出がたくさん蘇ってきます。

それから時が経ち、私は東京や大阪での修行を終えて20歳代後半で実家に戻り、それからしばらくして、Kさんは退職しました。
その時の寂しさ、心の空虚さは今でも忘れません。

そして更に時を経て昨年、Kさんが亡くなったという訃報が私の元へ届きました。
呆然としながら通夜会場へと賭け付けると、そこには久々に会う、目を真っ赤に腫らしたN君がいました。
しばらく会っていなかったにも関わらず、そこには小さい頃から慣れ親しんだN君がそこに居て、気が付くと私は彼に擦り寄って互いに悲しみの仲で言葉を掛け合っていました。
何かあったらいつでも連絡してきてほしい、そう言い置いて私は斎場をあとにしました。

それから時を待たず、N君から電話がありました。
この前のお礼がいいたいと私の事務所に寄ったN君と私は、しばらくぶりに尽きぬ話に花を咲かせました。
お父さんの思い出、お互いの近況、そんな事を語り合いながら、彼が今、製菓会社の営業頭をやっている事を知らされました。
そんな中で出てきたのがこの「酒ようかん」のアイディアです。

自分が幼い頃から慣れ親しんだ和田龍酒造の酒を使って「酒ようかん」を完成させたい、そう語ってくれたN君は、それ以降も頻繁に事務所に顔を出しては、進捗状況を教えてくれました。
そしてこれもひとつの縁で、たまたまふたりが共通して知る印刷会社の社長が装丁デザインやPOPを手掛けてくれ、そしてこの春、ついにその「酒ようかん 真田太平記」は完成しました。

試作品を持ち込んでくれた彼の前で早速みんなで試食したこのようかんは、酒の香ばしさがしっかりと感じられ、決して甘すぎず、絶妙なバランスの味わいで、辛党の私が思わず「うまい!」と叫んでしまった、贔屓目抜きで本当においしいようかんでした。
ここまで頑張ってくれた彼の思いに感謝しながら、弊社の店先でも早速その日から、この酒ようかんを置き始めております。

そんな訳で、この「酒ようかん 真田太平記」は、今は亡きKさんとそしてご子息のN君との思いが結実した、和田龍酒造にとっても大切な一品なのです。

ちなみにそのN君が店長を勤める関連商品のHP「信州上田 真田軍団」が開設されました。
もしよろしれば立ち寄ってみてください。

http://www.sanadagundan.com/

真田太平記 酒ようかん 1個420円