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期待外れ

2020.09.03

久々に駄本に出合いました。
駄本・・・中身の薄い期待外れの本。

書店であえて買ってみようと思った理由は、聞いたことがない賞の大賞を受賞していたのと、帯封に大好きな選考委員の激賞のコメントが載っていたから。
しかも某大手出版社だし。

私が甘かった。
面白かったのは型破りな主人公のひとりが登場する最初の数ページだけ。
そのあとはスカスカ。
プロットは甘いし、登場人物の描写は上滑りしているし、中身が薄いから斜め読みで十分理解できてしまう。
もう少し何かあるはずと期待しながらページをめくっているうちに、物語は大団円を迎えてしまいました。
クライマックスも甘い。

これ、本当に○○○○大賞っていうのを受賞したの?

まあ感じ方は人それぞれなので、私だけが穿(うが)った読み方をしていたのかもしれません。
すみません、僕は個人的にダメでした。

駄本でつらいのは、自分の書架に並べたくないこと。
かといって、それを人に差し上げる訳にもいかないし。
売るのも何だかなあ。
それも本を選ぶ醍醐味のひとつと言ってしまえばそれまでですが。

"You look terrific."

2020.08.17

何か映画でも観ようとDVDの棚を眺めて、立て続けに2本、懐かしい名画に没頭しました。

1本目は「死亡遊戯」。

そう、あのブルース・リーの遺作です。
クライマックスの格闘シーンだけ撮影が終了していて、あとは過去の作品やブルース・リーの代役のツギハギによって完成したこの作品。

突っ込みどころはたくさんあるけれど、でも五重塔の各階に待っている敵をブルース・リーがなぎ倒していく往年のプロットや、ジョン・バリー作曲のあの鳥肌モノのメインテーマ(サントラも買ってしまいました)を聴いているだけで、この作品は満足なのです。

長野市の映画館で何とこの「死亡遊戯」が上映されていて、でもどうしても行けそうにないので、せめてもの憂さ晴らしで観た1本でした。

そして2本目は「クレイマー、クレイマー」。

高校生の時に初めて映画館で観て以来、年齢を重ねるに比例して感銘も深まるこの映画。
今回もあたたかな感動に全身が包まれました。

ここからネタバレです。

ラストシーンのメリル・ストリープとダスティン・ホフマンのセリフ。

「私、どう見える?」

これが

"How do I look? "

と言っているのは聞き取れるのですが、このあとの

「とても素敵だ」

が何と言っているのか分かりません。
でもネットにはちゃんと出ているのですね。

"you look terrific."

terrific は「素晴らしい」という意味で、look terrific は慣用語で「素晴らしく見える」。

これでこの映画が一段と好きになりました。

頭からフラペチーノ

2020.08.07

突然の出来事でした。
頭から「ミルクイチゴ フラペチーノ」を浴びました。

仕事がようやく一段落して、帰宅する前にひと息付くために寄った上田市内のスターバックス。

アイスコーヒーを注文して、出入口近くのテーブルに座って、ほんの数分後でした。

いきなり頭の上に冷たい感触を覚え、次の瞬間、私の真横でカップが床に落ちて破裂し、その勢いで全身に赤と白の半液体のアイスクリームが飛び散りました。

季節限定の「ミルクイチゴ フラペチーノ」。

床に下ろした視線をゆっくり上げると、目の前には呆然と立ち尽くしたジャージ姿の男子高校生がいました。

そしてそのうしろには彼女とおぼしき女子高生の姿も。

カッコつける訳ではありません。
が、事情を察した私は、咄嗟に「ワザとやった訳ではないから大丈夫!」という言葉を、その男子高校生に投げ掛けていました。

「すみません!すみません!」
男子高校生はすぐにペーパータオルを手の中いっぱいに持って戻ってきます。
「どうしたの?」
「うっかり落としてしまって・・・」
「ワザとじゃないから気にするな」

そう言って高校生を落ち着かせ、私はフラペチーノにまみれた洋服とジーンズを拭くために、追加のペーパータオルを取りに行きます。

私のあとを追ってくる男子高校生と、不安げに事の推移を見守る彼女。

「すみません!すみません!」
「大丈夫だから気にするな」

その言葉にようやく納得した男子高校生は、ひとりだけミルクイチゴ フラペチーノを持った彼女と一緒に店を出ていきました。

一部始終を見ていた店のスタッフの女性が「ありがとうございます」という言葉とともに大量の新品の布ナプキンを手渡してくれました。
坊主頭を拭くと、ナプキンが見事なイチゴ色に染まります。

フラペチーノが飛び散った床と壁を掃除する別のスタッフからも声を掛けられながら席を移動して外を見ると、先ほどの高校生ふたりが仲睦まじくベンチに座っています。
そして彼女の手にだけ握られたフラペチーノのカップ。

それを見た瞬間、その男子高校生に同じものをご馳走してあげれば良かったと後悔する自分がいました。
だって、高校生のお小遣いでは決して安い買い物ではなかったはず。
もしかしたら彼女の分も彼が買ったのかも。
でも、そんな事をしたら、それはちょっとカッコ付け過ぎですよね?

しばらくしてからチーフの女性が、さらに新しい布ナプキンと、ワンランク上の「コールドブリューコーヒー」を持ってきてくれて、ご厚意に素直に甘えることにしました。

そして帰宅後。
家に入るなり、私の全身から発する匂いを感知して「甘っっ!!」と叫ぶ妻がいました。

ハノン

2020.08.01

昨夜の「ららら♪クラシック」は「ハノン」の特集でした。

「ハノン」・・・懐かしい。
実は私も幼少から17歳までピアノを習っていました。
もちろん「ハノン」も弾きました。

でも「ハノン」はあくまでもピアノ教則本であって、先生の家に習いにいっても、とりあえず「ハノン」で手慣らしをして、それからいよいよ本格的な曲に立ち向かう・・・誰もがそんなイメージではないでしょうか。

だから今回「ハノン」の音楽的魅力を前面に打ち出して紹介されたのは目から鱗でした。
「ハノン」ってこんなにカッコいいんだっ、て感じで。
妻はテレビを見ながら、わざわざ「ハノン」の楽譜を取り出して、曲と一緒に音符を追っていました。

ところで妻が大好きなテレビ番組が、NHK-BSの「駅ピアノ」「空港ピアノ」です。
世界中の駅や空港に置いてあるピアノに座って、お気に入りの曲を自由気ままに弾く人の姿を定点カメラで追ったドキュメントです。
毎回わざわざ録画して見入っています。

最近は日本でも、えっ、こんな駅にもピアノが置いてある、という光景を私もしばしば見掛けます。
そんな時、私も「駅ピアノ」のように、躊躇なく大勢の人前でピアノが弾けたらなんて、思わず夢想する毎回です。
ちなみに、もし私がそんな時の1曲を選ぶとしたら、坂本龍一の「DEAR LIZ」か「PAROLIBLE」かな。

もっと真剣にピアノに取り組んでおくんだったといつも後悔しています。

レジ袋有料化

2020.07.25

すごく些細な事です。

7月1日よりレジ袋が有料になりました。

で、それに関して書店の対応についてです。

書店で買った本をビニール袋に入れてもらうと、他の本を入れられないように盗難防止のためなのか、必ずといっていいほど手提げの部分の穴にセロテープを貼られます。

あれって、いざ剥がす時にセロテープの粘着力が強すぎて、穴の部分が破れるか歪んでしまうんですよね。
だから、せっかくきれいにデザインされた書店のレジ袋が台無し。
きちんと保管している身とすれば、なぜ自社の広告ともいえるビニール袋にセロテープなんか貼るんだろうと思っていました。

そして今回の有料化。

これからは客は書店のレジ袋を有料で買うわけですから、はっきりと「セロテープは貼らないでください」と伝えています。
そして「剥がす時に袋が痛んでしまうので」としっかりと付け加えています。
「えっ?」という顔をする店員が多いです。
たぶんご自身では、自社のビニール袋に貼られたセロテープを剥がすという経験なんてした事がないんでしょうね。

その書店ごとの、きれいで個性あるレジ袋に対してのプライドを、もっと書店員は持つべきだと思います。

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