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愛車マーチにまつわる話

2014.03.10

妻の愛車のマーチ、購入してから15年経ちます。

我が家は車は「できるだけ最後まで乗り潰す派」なのですが、それでも15年、よく乗ったものです。

で、先日車検に出したところ、請求金額を聞いて思わず「ギャフン!」(死語)。
はっきり言ってこれでは外車の車検料です。
というか、これだったら新車の頭金になります。

すでに15年、あちこち痛んでいるのは分かります。
ディーラーの方から、ここの部品を交換です、ここが痛んでいるから修理です、と言われれば、そりゃそうだよなと納得もします。
でも、部品代が2万円で別に工賃が3万円と言われれば、えっ、それはどうなのよ?と思ったりもします。

それでも払いました。
技術に関しては信用していますから。
若干ですが値引きもしてもらいました。
そうやって一掃して帰ってきたマーチを見ると、やっぱり愛着があるんですよね。

ちなみにこのマーチ、私のこれまでの人生で唯一、飛び込み営業から買った品物です。

15年前のある日、私の会社の事務所にニッサンの新人営業マンO(オー)君は現れました。
彼はまだ営業慣れしてなくて、セールストークもたどたどしく、とてもじゃないけどセールスマンとして一人前には程遠い感じでした(O君、ごめんね)。

でもたまたま妻のためにセカンドカーが欲しいと思っていたところに現れた、彼の不器用なまでの必死さが逆に新鮮で、ちょっとO君に興味を抱いた私は彼に宿題を出したのでした。

宿題といっても、要は上限の金額を提示したのです。
決して無茶な金額は言っていません。
切りよく、この値段だったら買うよと彼に伝えたところ、数日して彼が持ってきた数字は私を納得させるものでした。
そしてその場で即決しました。

その後、O君はディーラーを辞めて、地元の役場に転職しました。
それでも彼は機会があると会社を訪ねてきてはお酒を買ってくれたり、毎年欠かさない年賀状には「マーチは元気ですか?」と書いてくれたりと、交流は続いています。
そんな時はこのマーチを彼から買ってよかったと思うのです。

しかしこのマーチ、馬力はまったくありません。
極端に言うと、高速道路の料金所から本線に合流するまでの坂道をノーマルでは上れないほどなのです。

なので山道の多い長野県ではこのマーチでは遠出はできません。
買ったばかりの頃、このマーチでドライブしようと心躍らせながら菅平高原に向かったところ、あまりの馬力のなさに仕方なくUターンした事もありました。
軽トラのほうがよっぽど力持ちですね。

といいながらも、今日も上田市内でマーチを乗り回しています。
今どき、カセットデッキが付いている車なんてあるのかな?