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立川流の名著

2013.12.12

先日、自宅で酒を飲みながらふと思い立ち、2冊の本を書架から引っ張り出して、一気に再読しました。

立川談春「赤めだか」。
立川談慶「大事なことはすべて立川談志に教わった」。

どちらも著者が立川談志に入門してから真打になるまでを描いた自伝です。
そしてどちらも笑いと涙、そして師匠へのあたたかさと愛情に満ちた名著です。

この2冊の本で改めて実感させられるのは、人生回り道というのは決して無駄ではないという事、そして長い人生の中で「報恩」という思いがどれだけ大切であるかという事です。
一見破天荒でありながら実は人一倍の繊細さを持ち合わせた立川談志と、そこにしがみつきもがきつつ、不器用ながら二つ目・真打へと上り詰めていく談春・談慶。
この2冊、私は読んでいて涙が止まらなくなりました。

私自身、酒に逃げたくなる夜というのは正直あります。
しかしこれらの本を読んでいると、回り道や不器用さに真正面から立ち向かい、そして克服していく過程が、やがては一流と呼ばれる道へと繋がる事を再確認させられ、励まされるのです。

そしてもうひとつ実感するのは、ああ、落語が聞きてえ・・・。