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ボンタンアメ

2013.12.06

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父の葬儀で大変お世話になった、父の大親友のご夫妻おふた組から、母と私の慰労を兼ねた夕食会にお招き頂きました。
父の思い出で花を咲かすこと数時間、楽しい食事はお開きとなりました。

その後、私はひとりで繁華街の一角のスナックへ向かいました。
初めて入るお店です。
「レベッカ」。
ここは父が他界する直前まで、いつもお仲間と共に2次会で腰を落ち着けては石原裕次郎を歌っていたお店でした。

父がお世話になったお礼をひとことママに言いたくて、お店のドアを開けると先客がおひとり。
私が名乗るとママはすぐに気が付いてくれ、私を店内に導いてくれました。

驚いたのは、先客もまた私の父が大変お世話になったご友人でした。
その方の隣に座らせて頂き、ここでも父の思い出話。
その間にママは、いつも父がそうしていたのでしょう、何も言わずに徳利の入った熱燗をカウンター越しに差し出してくれました。

「和田君はどこへ行っても本当に日本酒しか飲まなかったなあ」
同意するママ。
ここでも楽しく、そして懐かしい時間が流れていきます。

熱燗を1本飲み終え退席することをママに告げると、ママはボンタンアメを1箱手渡してくれました。
「ここではこれがサービスなの」

これで謎が解けました。
茶の間の棚の中にいつもボンタンアメが入っていた訳が・・・。

私はこの飴が大好きでいつも1個2個つまんでは舐めていたのですが、そうか、このお店でいつももらってきていたのですね。

何となくもう少し飲みたくて、続いて向かったのは馴染みのクラシックバー「Dejavu(デジャブ)」。
オーナーバーテンダーの藤極さんのお人柄、店内の雰囲気、そして何よりも出されるお酒、すべてが絶品で、妻ともども大ファンのバーです。

この日頼んだのは「ドライマティーニ」(写真下)と「マンハッタン」。

藤極さんのカクテルを私なりにひとことで表現すると、それは「優しさ」。
どの一品も柔らかさとあたたかさに溢れたオンリーワンの味わいです。

ちなみにこの日「ドライマティーニ」が出された瞬間、外で電話を掛けていて戻った私に、藤極さんが笑顔で真っ先に発したのは、「作り直しましょう」、そのひとことでした。
藤極さんのバーテンダーとしてのホスピタリティとプライドとが伝わってくる言葉です。

それを固辞し、この日も藤極スペシャルとも言えるスタンダードカクテルを味わいながら、今日1日を思い出し、更け行く夜を噛み締めたのでした。