記事一覧

読む立川流

2020.09.26

活字がないと眠れない、そんな生活を何十年と続けています(酔って潰れた時は別です)。

最近ハマっているのは、立川流の落語家が書いた著書の数々。

きっかけは地元上田市出身の立川談慶の新刊「安政五年、江戸パンデミック。」

もともと談慶師匠の著書は面白くてすべて網羅しているのですが、この新刊も師匠自らがfacebookで「手拭い・サイン付き」で直売しているのを目にして即買い。
包装を解くのももどかしく一気読みの一夜でした。

続けて談慶師匠が、今度はPHPの増刊で小説連載を始めた事を知り、こちらも即買いで一気読み。

ちなみに小説冒頭のシーン。
主人公の落語家がラジオの生放送で屋外で落語を喋らされ、誰も聴いていない過酷な状況に落ち込む姿は、談慶師匠の実体験です。
遡(さかのぼ)る事はるか前、長野のラジオの帯番組で、屋外の騒音や人の声が鳴り響く中、必死で高座を努める談慶師匠の噺を仕事の車中でよく聴いたものでした。
あの体験があったからこそ今でも過酷な状況にも耐えられると師匠は語っています。

さて、談慶師匠を読了後、血が騒いで引っ張り出してきたのは、これまで何度読んだか分からない立川談春「赤めだか」と立川志らく「雨ン中の、らくだ」。

前座の頃からライバルと称されてきたこのふたりの自叙伝は、並べて読むと面白さが倍増します。
昨夜は酔っていたこともあり「雨ン中の、らくだ」の途中で寝落ちしましたが、今晩読み終えたあとは、今度は談志に行ってしまいそうです。
とはいっても、私は立川談志を語れるほど通ではありませんし、今でもただただ憧憬のまなざしで見上げるだけの初心者ファンなのですが。