記事一覧

日本酒の可能性

2011.11.19

毎日全国のいろいろな日本酒を飲んでいると、新しい傾向のお酒が席巻している事に気が付かされます。

そのひとつが低精米酒。
要するに、原料となるお米をわざと削らないお酒の事です。

「普通酒」と呼ばれるレギュラークラスのお酒は、おおむね精米歩合70~65%(=玄米を70~65%の大きさに削ること)のお米を使用しています。
そして精米歩合60%以下のお酒は「吟醸酒」、精米歩合50%以下のお酒は「大吟醸酒」を名乗っていい事になっています。

ちなみに我々が日頃食べている飯米は、大体精米歩合92%くらいです。

参考までに、なぜお米を削ったほうがいいかというと、玄米の表層部にあるタンパク質や脂質・灰分といった物質が、お酒の健全な生育、そして味わいや香りを損なわせてしまうからです。

さてそんな中、最近とみに見かけるようになったのが件の低精米酒です。
中でも、具体的には「精米歩合80%」をドーンと前面に押し出したお酒が目を引きます。

先日東京へ出張した際にも、お世話になっている日本酒専門の酒場で低精米をウリにしたお酒を何本も飲んだのですが、そのレベルの高さにびっくり。
思わず「旨いっ!」と叫んでしまいました。

もうひとつ、最近目にするのは酸度の極めて高いお酒です。
私自身、「酸」は日本酒の味わいを決定付ける最も大切な要素と思っており、現に弊社はそれなりに酸のしっかりしたお酒を出していますが、それでも酸度3.0前後というお酒を目にするとまずは驚きます。
それでいて、飲んでみるときちんと美味しいんですよね。

昨日も秋田県のとある蔵の、特殊な造りによって「酸」の際立ったお酒を口にして、ああ、こういうのもアリなんだと、日本酒の持つ可能性の無限さに思いを新たにした次第です。

世界に冠たる日本酒ワールド、これからもっともっと面白くなりますよ。